トラックにはどんな種類がある?
サイズや架装の形状別に特徴を一覧で紹介
トラック市本部
トラックの種類は数多くありますが、詳しい区分や車両の特徴をご存知の方は少ないでしょう。今回は、トラックの主な種類について、「サイズ別」「架装・形状別」に分類してご紹介します。また、トラックの種類別に必要な運転免許についても解説していますので、トラックを購入検討中の方はぜひ参考にしてください。
目次
トラックにはどんな種類がある?
各サイズで用途に応じた形状が存在する
一般的にトラックの種類は、小型・中型・大型の3つのサイズで分類されます。トラックの種類を分ける主な基準は、「道路運送車両法」や「トラックメーカーの区分」などです。
小型・中型・大型のサイズは、主に最大積載量・車両総重量・車両寸法で決定します。基本的に3サイズの区分が多いものの、中型と大型の間には「増トントラック」と呼ばれる種類も。
トラックのサイズごとに、平ボディーやバン、ウイングといったさまざまな形状のトラックが用意されています。
【サイズ別】トラックの種類 | 【架装・形状別】トラックの種類 |
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なお、トラックの車両区分の基準は、道路運送車両法のほか道路交通法によっても分類されます。さらに、高速道路を走行する際は、「高速自動車国道での料金区分」が適用。同じサイズのトラックであっても、基準によってトラックの区分や高速道路の走行料金が変わる場合があるため、事前にチェックしておきましょう。
【サイズ別】トラックの種類と特徴
種類ごとにトラックの特徴を理解することで、利用目的に合う最適な車両を選べます。ここではサイズ別に、トラックの種類と特徴をチェックしましょう。
小型トラックの特徴
小型トラックのサイズ | |
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寸法 | 全長4.7m以下・全幅1.7m以下・全高2m以下 |
最大積載量 | 3t以下(トラックメーカーの区分では4t未満) |
車両総重量 | 5t以下 |
小型トラックは、積載量が2〜3tのコンパクトなトラックです。トラックメーカーの区分では、標準積載量4t未満が小型トラックにあてはまります。メーカーによっては、1t未満〜1.5tなどさらに小さなタイプも。
小型トラックの特徴は、小回りがきいて住宅街や細い路地などを走行しやすい点です。そのため、個人宅への宅配便用車両に使われることも多々あります。
小型トラックの代表的なメーカー3選
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いすゞ自動車 「エルフ」 |
日野自動車 「デュトロ」 |
三菱ふそう 「キャンター |
いすゞ自動車・日野自動車・三菱ふそうは、小型トラックを手がける代表的なメーカーです。
いすゞ自動車「エルフ」は、車内のインテリアや燃費・走行性能を追求。日野自動車「デュトロ」は、運転の際に疲れにくいよう、快適な乗り心地と使いやすさを実現しています。また、三菱ふそう「キャンター」は、左折時の巻き込み事故を軽減させるためのアシスト機能を標準装備。
それぞれ性能や乗り心地が異なるため、ご自身に合わせて最適な車種を選びましょう。
中型トラックの特徴

中型トラックのサイズ | |
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寸法 | 全長12m以下・全幅2.5m以下・全高3.8m以下 |
最大積載量 | 6.5t以下(トラックメーカーの区分では4t以上) |
車両総重量 | 11t未満 |
中型トラックは、一般的に近〜中距離の輸送に使用されるケースが多いでしょう。
トラックメーカーの区分では、標準積載量4t以上のものを中型トラックとしています。小型トラックよりも積載量が大きいため、より多くの荷物の運搬が可能です。ただし、車種やトラックの形状によって積載量は幅広いため、事前に確認しておきましょう。
中型トラックの代表的なメーカー3選
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いすゞ自動車 「フォワード」 |
三菱ふそう 「ファイター」 |
日野自動車 「レンジャー」 |
中型トラックを手がけるメーカーのうち、いすゞ自動車・三菱ふそう・日野自動車の3つはとくに有名です。
いすゞ自動車「フォワード」は、燃費・安全性能にとくにこだわった車種。三菱ふそう「ファイター」は、アクティブ・ブレーキ・アシスト5を搭載し、衝突回避操作をドライバーに促します。日野自動車「レンジャー」は、ドライバーに異常が生じた際に察知するシステムを導入しています。
取り付ける架装の種類により用途も変わるため、サイズとあわせて検討するとよいでしょう。
大型トラックの特徴

大型トラックのサイズ | |
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寸法 | 全長12m以下・全幅2.5m以下・全高3.8m以下 |
大型トラックは、もっとも大きなサイズのトラックです。小型・中型と比べて積載量が多いため、長距離運送に適しています。大型・大量の荷物を一度にまとめて運搬する業務に使いやすいでしょう。
トラックメーカーの区分では、中型トラックと同じく標準積載量4t以上のものがあてはまります。また、中型トラックと同様に、大型トラックの積載量も車種によって幅広いため、注意が必要です。
大型トラックの代表的なメーカー3選
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いすゞ自動車 「ギガ」 |
三菱ふそう 「スーパーグレード」 |
日野自動車 「プロフィア」 |
いすゞ自動車「ギガ」・三菱ふそう「スーパーグレード」・日野自動車「プロフィア」の3車は、大型トラックの中でもとくに代表的な車種です。
いすゞ自動車「ギガ」は、ドライバーが運転しやすいよう、座席シートや収納量の多いハイルーフにこだわっています。三菱ふそう「スーパーグレード」には、運転をサポートする機能や軽量化・燃費向上を実現したエンジンを搭載。日野自動車「プロフィア」は、車線から逸脱しないようサポートする機能や、衝突回避システムなどを装備しています。
増トントラックの特徴
増トントラックとは、中型と大型の間に位置するサイズのトラックです。よりたくさんの荷物をまとめて運搬できるように、中型トラックよりも積載量を増やしています。
詳しい積載量や車両総重量は車種により異なりますが、6〜8tを積載できるように作られることが多いです。中型トラックをベースにしている車種が多いため、サイズや外観は中型とよく似ています。
【架装・形状別】トラックの種類と特徴
トラックの種類は、荷台に取り付ける架装のタイプやトラック自体の形状によっても区分されます。市場に数多く出回っているものから、ひとつの業務に特化した特殊なタイプまでさまざまです。
ここでは、代表的なトラックの架装・形状の種類8つをご紹介します。
平ボディー
平ボディーとは、トラックの荷台部分が平らな形状をしているトラックです。荷台に屋根がついていないため、汎用性が高く幅広い用途に使えます。さまざまな形・大きさの荷物を運搬したいときに便利でしょう。
また、平ボディートラックは、荷台の高さによって「超低床型」「全低床型」「高床型」などの種類に分けられます。
【こんな場面で活躍!】
家電や建設用機械など、さまざまな荷物を運搬するとき
トラックの平ボディーとは?
寸法や特長について詳しくはこちら
バン
バン型のトラックは、トラックの荷台がアルミ製の箱で覆われたタイプです。荷台が箱型であるため、荷物を運搬する際に雨風の影響を受けにくい特徴があります。
バン型のトラックは、荷物を保護しながら安全に運搬したい場面で活躍するでしょう。宅配便や引っ越し業者などでも多く使われています。
【こんな場面で活躍!】
引っ越しの荷物や食品の運搬など、荷物を保護しながら運搬するときウイング
ウイング型のトラックは、バン型と同じようにトラックの荷台がアルミ製の箱で覆われています。バン型と異なる点は、荷台の両サイドが羽のように上がって開閉する点です。荷台の開き方により、「上下開閉タイプ」「フレキシブルオープンタイプ」「ターンオーバータイプ」といった種類に分けられます。
荷台の左右から、フォークリフトなどを用いて荷物を積み下ろしする際に便利です。高さのある荷物の運搬もしやすいでしょう。
また、ウイング型トラックはアルミボディの他、布製の幌を使ったタイプもあります。
【こんな場面で活躍!】
フォークリフトやクレーンで積み下ろしする荷物を扱うとき
ウイング車とは?種類別の特徴や
扱うときの注意点についてはこちら
保冷/冷蔵・冷凍
保冷/冷蔵・冷凍タイプのトラックは、バン型のうち保冷や冷蔵・冷凍機能を備えたトラックです。食品や医薬品など、温度を保ちながら運搬する必要がある荷物を扱う際に便利でしょう。
保冷タイプは荷台に断熱材を設置しており、荷物の温度を保ちながら運搬できます。冷蔵・冷凍タイプは、荷台に冷却装置を搭載。食品の鮮度をより保ちながら運搬できる特徴があります。
【こんな場面で活躍!】
生鮮食品や医薬品など温度管理が必要な荷物を運搬するときダンプ
ダンプは、荷台を後ろに傾ける装置を搭載したトラックです。主に土砂や砂利など建設・工事現場へ運搬する際に使われます。
ダンプカーの中には、土砂用ではなく、使用済みペットボトルや産業廃棄物などを運搬するタイプも。
【こんな場面で活躍!】
土砂や砂利、産業廃棄物などを運搬するときクレーン付
クレーン付きは、トラックの荷台に「クレーン架装」を搭載したタイプです。「トラッククレーン」や「ユニック車」などと呼ばれることもあります。
搭載したクレーンで荷物を持ち上げたり、荷物を移動させたりといった現場業務が得意です。主に建設や工事の現場において活躍します。
【こんな場面で活躍!】
建設現場などで大きな荷物を持ち上げたり、運搬したりするときセルフローダー
セルフローダーとは、公道を走行できないブルドーザーなどの重機や車検切れの車を運搬するときに使用するトラックです。荷台部分には、荷物の落下を防ぐ「あおり」がついていません。
代わりに、「あゆみ板」と呼ばれるという装置を搭載。あゆみ板を操作して荷台を後ろに傾けることで、地面と荷台をスロープのようにつなぎ、重機や車両を積み込めます。
【こんな場面で活躍!】
公道を走行できない重機や車両を運搬するときトレーラー
トレーラーは、ひとつのトラックでは運搬できない大きな荷物の輸送に使用するものです。荷台部分を「トレーラー」、荷台をけん引する車両を「けん引車」と呼びます。
大きさにより、セミトレーラー、フルトレーラー、特種トレーラーなどの種類が存在。一度に運べる荷物の量が異なります。
【こんな場面で活躍!】
1台のトラックでは運べない大きな荷物を運搬するときダブルキャブ
ダブルキャブとは、後部座席があるトラックです。前方と後方に合計4つドアがあり、乗車部分が広く、定員が多い特徴があります。
平ボディーやウイング車などのトラックに比べて、多くの人や荷物を乗せられる点がメリット。建設現場や工事現場、消防車などに利用されることも多いです。
【こんな場面で活躍!】
多くの人やものを乗せる必要がある現場仕事などを行うとき【トラックの種類別】運転に必要な免許
トラックの運転に必要な免許は、トラックのサイズによって区分されています。以下の区分表を確認して、使用予定であるトラックのサイズや必要免許を確認してみましょう。
免許の種類 | 免許の区分 |
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普通免許 |
車両総重量:3.5t未満 最大積載量:2.0t未満 乗車定員:10人以下 |
準中型免許 | 車両総重量:7.5t未満(※1) 最大積載量:4.5t未満 乗車定員:10人以下 |
中型免許 |
車両総重量:11t未満(※2) 最大積載量:6.5t未満 乗車定員:29人以下 |
大型免許 |
車両総重量:11t以上 最大積載量:6.5t以上 乗車定員:30人以上 |
平成29年3月12日以降に取得した運転免許の場合
※1:5t未満限定の場合は5t未満に限る
※2:8t未満限定の場合は8t未満に限る
普通免許のみで運転できるトラックには限りがあります。また、クレーン車やトレーラーといった特殊車両を運転する場合は、運転免許とは別にクレーンの操縦免許やけん引免許が必要です。免許の種類とあわせて、プラスアルファで必要な免許・資格もチェックしておきましょう。
【中古でいいものを!】トラックの種類選びのポイント
中古でトラックを購入する際は、まず、トラックを使用する場面や業務内容を整理しましょう。用途を明確にしてから、トラックのサイズや形状を選択することが重要です。
輸送距離や走行する道路、運搬する荷物の種類などから最適な中古トラックを決めましょう。中古の場合、希望するトラックの走行距離や年式なども要チェックです。
トラックの種類を知り、使用目的に合う最適な車種を見つけよう!
トラックは、サイズの違いによって大きく3種類に分けられます。サイズごとに平ボディーやバンなど、さまざまな架装のタイプや形状が存在。
架装・形状の違いによって、活躍する場面が異なります。サイズにより必要な運転免許も変わるため、業務内容に合わせたトラックを選びましょう。
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