アームロールとは?用途や役割・ツインホイスト・操作方法などをわかりやすく解説
トラック市本部
新車でも中古市場でも人気の高いアームロール。あまり知られていないですが正式名称は、
「脱着装置付きコンテナ専用車」や
「脱着ボディシステム車」と言います。
アームロールは、新明和工業㈱の商品名の事を指しますが、脱着装置付きコンテナ車のことを
通称として「アームロール」と呼ばれる事が多くなっています。
今回は、アームロールについて解説をしていきます。
▶アームロールとは?
アームロールとは、荷台のコンテナ(荷台・荷箱)を自力で脱着出来る特殊車両を言います。
トラックの荷台部の骨格になるシャーシ部分に油圧式の脱着装置を付けております。
その脱着装置がアーム(腕)のようになっているのが特徴です。
簡単に言うと、
アームロールの先端部のフック部にコンテナ(荷箱)にひっかけて
荷台のコンテナ(荷台・荷箱)を自由に下ろしたり、載せたりすることが出来る車両です。
▶アームロールとフックロールとの違いは?
アームロールとフックロールってどこが違うの?という質問に回答します!
結論からすると、構造的には同じ「脱着装置付きコンテナ専用車」となります。
新明和工業㈱製の商品名が「アームロール」・イメージカラーは青、
極東開発工業㈱製の商品名が「フックロール」・イメージカラーは赤となります。
他には、カーゴテック㈱のヒアブ部門の「マルチリフト」やイワフジ工業㈱の「ロールリフト」があります。
コンテナ(荷箱)は、どのメーカーでも使えるのか?という質問もきかれますが、
コンテナは、基本的には共通の仕様となっておりますので、
アームロールでも、フックロールでも互換性がありますので利用出来ます。
注意点は、国内の主要メーカーのコンテナは互換性としてはほぼ問題ありませんが、
安さを売りにしたコンテナなどは、互換性がない又は、強度不足などの不具合を起こす可能性がありますので
互換性の基準としては、
「日本自動車車体工業会(JABIA)」で、発行している
「制作基準互換性適合シール」が張り付いているかが、
キャリアとコンテナの互換性があるかないかの目安となります。
▶アームロールの用途と役割は?
アームロールは、「産業廃棄物業界(産廃業界)」で良く利用されます。
建設現場等にコンテナを置いておき、そのコンテナに建設廃材やゴミを入れる為に設置します。
コンテナが満タンになると、アームロールに空のコンテナを載せて、満タンのコンテナと入れ替えます。
アームロールは、その他にも汚泥や飼料を運搬したり、液体物や家畜糞尿などを運んだりと
使用用途は多岐に渡ります。用途に応じて、コンテナ(荷箱)の形状も様々です。
アームロール1台持っていれば、コンテナ(荷箱)を変える事で、様々なものを運べる点
でも実用的な車両となっております。
中古アームロールでは、コンテナとセットで販売する事もありますが、
多くはアームロール単体で販売する事が
多くなっております。
コンテナメーカーとしては、㈱瑞穂 や白川鉄工所㈱などがあります。
【コンテナの種類(一例)】 ・スタンダードコンテナ(産廃用の一般的なコンテナ) ・パッカーコンテナ(ゴミ収集機能付きコンテナ) ・ダンプコンテナ (荷台がダンプ仕様のコンテナ) ・フラットコンテナ(パレット用で荷台が平なコンテナ) ・タンクコンテナ(タンクが付いた液体用のコンテナ) |
▶ツインホイストとは?
アームロールでコンテナを脱着する際やダンプアップ時は、シリンダーで支えながら動かします。
このシリンダーが2本あるものを『ツインホイスト』と呼んでいます。優れた安定性と力強さを発揮します。
シリンダーが1本のシングルホイストもありますが、近年はツインホイストが主流となっております。
▶アームロールの操作方法
アームロールの操作方法は、基本的には7つのSTEPで操作する事が出来ます。
アームロールの操作は慣れていないと事故を起こしてしまいますので、周囲に人や物がない事を確認し、しっかりと練習をした上で実際の作業をはじめて下さい。
①PTO(パワーテイクオフ)のスイッチを入れる
PTOは、エンジンの動力を上物の動力へ変えるスイッチになります。
アームロールを動かす為の動力に切替える必要があります。
切替方法は、クラッチを踏んで、PTOスイッチを押しゆっくりとクラッチから足を離します。
これで、エンジンの動力が上物への動力に切り替わります。
②ジャッキがある場合はジャッキを出す
ジャッキがある場合は、リモコンでジャッキを出します。
車体の安定性も見て、車体が浮いていなかも確認してください。
③リモコンでチルトを傾ける
車外に出て、周りの状況を確認しながら、リモコンでチルトを目一杯傾けます。
④リモコンでアームを降ろす
脱着のスイッチの「降ろす」を押して、アームを降ろします。
⑤アームのフックをコンテナに引っ掛ける
トラックをバックさせて、アームの先端のフック部分をコンテナに引っ掛けます。
⑥コンテナを引き上げる
スイッチの「引き上げ」ボタンを押し、コンテナを引き上げます。
この時、フックがしっかりとコンテナに引っかかっているかと、
コンテナのレールがローラーにしっかり乗っているのかを確認しましょう。引上げの際の
エンジン回転数は1500回転~2000回転程度が目安になります。
シャーシの上に、コンテナ全体がしっかりと載り、キャビン側にロックする
ところまで積んだら積み込みは完了となります。
⑦ジャッキを格納する
最後にジャッキを格納して終了となります。
走りだすときは、改めてクラッチを踏み、
PTOのスイッチでエンジンの動力へ切替えてから走行してください。
▶アームロールに必要な免許は?
アームロールの操作に特別な免許は必要ありません。
トラックに合わせた必要な運転免許を持っていれば問題ありません。
運転免許制度については、
他の記事
【解説・早見表付】普通免許トラックは何トンまで乗れる?・・・
でご紹介しておりますのでそちらでご確認下さい。
アームロールトラックは、用途に合わせて使うことでメリットを最大限に活かせます。
新車は納期がかかる事が多いので、新車以外の未使用車や中古トラックをうまく活用してみてください。
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