【丸わかり】冷蔵・冷凍車とは?特徴や機能、購入時の注意点について
トラック市本部
冷蔵冷凍車は、トラック輸送には欠かせない人気のあるトラックです。
この記事では、冷蔵冷凍車の特徴や機能や購入時の注意点を解説していきたいと思います。
冷蔵冷凍車といっても、バンタイプやウイングタイプなどもありますし、
冷凍冷蔵車特有の機能もありますので、
冷蔵・冷凍トラックの購入を考えている方は
ぜひ参考にしてみてください。
目 次
・冷蔵・冷凍トラックとは ・中温冷凍と低温冷凍の違いは? ・保冷車との違いは? ・冷凍機の種類・冷やす方法は? ・冷凍機の動力は?直結式とサブエンジン式 ・冷凍機メーカーについて ・キーストンや2エバ(ツーエバ)とは? ・スタンバイ装置とスタンバイケーブルの役割 ・冷蔵・冷凍車に必要な免許は? ・中古冷蔵・冷凍トラックを購入する時の注意点は? ・中古冷蔵・冷凍車の購入はトラック市がオススメな訳 |
▶冷蔵・冷凍トラックとは?
冷蔵・冷凍車とは、ズバリ「荷台の上物に冷却機能を備えたトラック」になります。
この冷蔵・冷凍車は、食品輸送に利用され、このトラックのお陰で美味しい食事を食べる
事が出来る重要な役割を果たしてくれています。
「動く冷凍庫」と「動く冷蔵庫」と言った方が分かりやすいかもしれませんね。
冷凍車と冷蔵車は、冷却する(出来る)温度によって、冷凍車や冷蔵車として分けられています。
上物は、基本的には、箱物(バンタイプ)やウイングタイプが主流となりますが、
通常のアルミバンやウイング車の箱と同じにしてしまうと、太陽の熱や外気の影響
を受けてしまいますので、
荷台の構造を断熱仕様にしているのが特徴の1つです。
断熱仕様とは、外板に断熱材を挟み込みます。又、外板の素材をアルミパネルや
繊維強化プラスチックであるFRP素材を利用しています。
外板の色は、太陽の反射を考慮した「白色」が良く使われます。
冷凍・冷蔵車は、外板と内板の間に断熱材を挟み込みますので
通常のアルバンやウイング車よりも分厚くなります。
箱が白いトラックが冷蔵・冷凍車に多い理由はこれによるものです。
定温輸送・品質保持・鮮度保持にかかせないのがこの冷蔵・冷凍車になります。
▶中温冷凍と低温冷凍の違いは?
冷蔵・冷凍車を選ぶ際に、重要なキーワードがあります。
これは、トラック検索の際にも良く出てくるワードですので、しっかりと押さえておきましょう。
「中温冷凍車」と「低温冷凍車」と良く表現されますが、
これは、上物に備え付けてある冷凍機能の差による分類となります。
中温冷凍車・・簡単に言うと「冷蔵車」。 鮮魚・精肉や野菜などの生鮮食品を運ぶ のに利用され冷凍機能がマイナス5度~ 7度前後の冷却設定をもった冷蔵車。 チルド車ともいう事もあります。 チルド=冷蔵を意味します。
低温冷凍車・・簡単に言うと「冷凍車」。 冷凍食品やアイスクリームなどを運ぶのに 利用され、 冷凍機能がマイナス30度 前後の高い冷却設定をもった冷凍車。 |
中温が「冷蔵車」で、低温が「冷凍車」を意味します。
注意点は、あくまでも設定温度に
なりますので、荷室の実質の温度が必ず
その温度になる訳ではありません。
箱の大きさや積み荷の状態によって荷室内の温度は変化します。
低温冷凍車は、冷却の設定温度が幅広く設定出来ることから、
低温冷凍車は、中温(-5度前後)にも低温(-30度前後)にも対応出来る分、
中温冷凍車より新車も中古車も価格が高くなっているのが一般的です。
▶保冷車との違いは?
それでは次に、冷蔵・冷凍車と保冷車の違いは何なんでしょうか?
この違いは、上物に冷凍機能が付いているか、付いていないかの違いになります。
保冷車には、冷凍機が付いておらず、箱物の構造が断熱仕様になっている車両となります。
簡単にいうと、「クーラーボックス車」というのが一番分かりやすいですね。
冷えたり、温めたりは出来ませんが、温度をある程度一定に保つことが出来ます。
温度の変化を嫌うお弁当・生鮮食品やビール、医療機器や精密機器等を運ぶのに利用されます。
▶冷凍機の種類・冷やす方法は?
冷凍車の冷やす方法は、
大きく3種類に分かれます。
「機械式」・「蓄冷式」・「液体窒素式」
になります。
それぞれの特徴を解説していきます。
一般的に多い方式は「機械式」となります。
「機械式」・・・エアコンと同じ仕組みで、 冷凍機のコンプレッサーを動かして 冷気を荷室に送る方式です。 エアコンのように1度単位で調整を することが出来ます。 汎用性に優れています。
「蓄冷式」・・・荷室に凍らせた冷凍板を入れる事 で室温を下げる方式です。 車両を停めていても冷却板から冷気が 出るので、冷却できますが温度設定が 出来ない為一定の温度管理が難しく 長距離輸送には不向きです。
「液体窒素式」・液体窒素利用して、荷室の温度 を下げる方式です。 一番冷却能力が高くマイナス40度 まで下げることが出来ます。 鮮度を高く保つ必要のある鮮魚・肉類 などの運搬に利用されます。 但し、液体窒素コストや充填の必要性 があります。 |
一般的には、「機械式」を採用されるケースが多いですが、
運搬するものによって冷凍方式の選定をしてみてください。
▶冷凍機の動力は?直結式とサブエンジン式
冷蔵・冷凍車の冷却装置を作動するには「動力」が必要になります。
ここででは、「直結式」と「サブエンジン式」の2つの方法を解説していきます。
「直結式」とは、トラックのエンジンを使って、冷却装置も動かす方法です。
トラックを動かす事と冷却する事をトラックのエンジンを使って行います。
「サブエンジン式」とは、トラックを動かす
エンジンとは別に、冷却装置を動かす為の
小型のディーゼルエンジンが付いている方式です。
1台の車にエンジンが2つ付いている事になります。
それでは、直結式とサブエンジン式のメリット・デメリットをみていきます。
【直結式】メリット ①サブエンジン用のスペースが不要なので、 冷凍装置のみで良い ②燃費が良い ③静音性に優れている
デメリット ①エンジンを停止すると冷却装置も止まってしまう※ ②特に大型車では、冷却機能が弱い ※スタンバイ装置を付けると、 エンジン停止中も利用出来るようになります。 |
【サブエンジン式】メリット ①エンジン停止中でも冷却が可能 ②冷却機能が強い (冷凍機稼働専用のエンジンがある為)
デメリット ①燃料消費が多い (2つのエンジンを稼働させる為) ②音が大きい ③最大積載量が減る (サブエンジンの重量により、積載量に影響が出る) |
▶冷凍機メーカーについて
次に、トラックに搭載されている主な冷凍機メーカーについてご紹介します。
冷凍機の製品も進化しております。ここでは、主要メーカーを列挙いたします。
■菱重コールドチェーン㈱
■東プレ㈱
■サーモキング・ジャパン㈱
■㈱デンソー
■㈱日章冷凍 ~軽冷凍車中心~
■不二商㈱ ~軽の電気式冷凍車~
▶キーストンやツーエバとは?
冷蔵・冷凍車で良く使われる仕様について
解説していきます。
冷蔵冷凍車や冷凍倉庫などで、使われる
「キーストン」という床材です。
(上の写真を参考)
このキーストンの床材は、凸凹の形状をしております。この凹凸の隙間を通じて、
冷気が庫内に効率的に流れ、均等に冷却する役割を果たします。
又、強度も高い事がメリットになります。
凹凸の幅が広いキーストンは、
「デッキプレート」や「かまぼこ型キーストン」
とも呼ばれます。
↓かまぼこキーストン↓
次に、冷蔵・冷凍車では、
「2エバ(ツーエバ)」という言葉を使う事もあります。
これは、冷凍機が2台付いている2室式の
冷凍車を指します。
このツーエバは、荷室の内部を仕切りで
分けることで、冷凍ものと冷蔵ものを
両方運べるメリットがあります。
仕切りの断熱が弱い場合は、
前室と後室の温度管理が難しくなる事が
デメリットになります。
↓ツーエバ仕様のトラック↓
▶スタンバイ装置とスタンバイケーブルの役割
先程記載しましたように、
直結式の冷凍車は、トラックの
エンジンの動力を使用している為
エンジンを停止してしまうと冷凍機
も止まってしまいます。
これを解決するのが「スタンバイ装置」
になります。
エンジン停止していても荷室の温度を保つことができる機能を有します。
荷台の後ろ側の左右のいずれかにある
青いボックスがスタンバイ装置です。
但し、外部電源が必要になります。
外部電源からケーブルを通じて給電を
行う事で、荷室の冷凍機を稼働させる
ことが出来ます。
この外部電源とスタンバイ装置をつなぐ
ケーブルを「スタンバイケーブル」
と言います。
外部電源は、三相コンセントになる為、
家庭でも良く使っている
2穴のコンセントでは対応が出来ません
ので注意が必要です。
スタンバイ装置は、
エンジンをかけていなくても冷凍機を
使用できる為、騒音がせず、
車両の燃料も使わない為、
コスト的にも環境的にも良い機能
となります。
中古冷蔵・冷凍車で、スタンバイ装置が
元々付いている車両もありますが、
付いていない車両の場合は、
スタンバイ装置は後付けが
出来ることも多いので、販売店に
相談することもオススメ致します。
▶冷蔵・冷凍車に必要な免許は?
冷蔵・冷凍車を運転するにあたり、特別な免許は必要ありません。
通常の運転免許制度に合った車両をお選びください。
免許制度についての解説記事は
こちらよりご確認ください。
【解説・早見表付】普通免許でトラックは何トンまで乗れる?増トン車に必要な免許など免許制度をわかりやすく解説
▶中古冷蔵・冷凍トラックを購入する時の注意点は?
ここでは、特に中古の冷蔵・冷凍車を購入する際の注意点を解説していきます。
トラックは、車両本体と上物装置は別物になりますので、車両のチェックと上物のチェックの両方をする
ようにしてください。出来れば、冷凍車は現車確認をしてもらう事をおススメ致します。
①
冷却装置が問題なく動作しているかを確認しましょう。
その冷却装置が、直結式・サブエンジン式なのかを確認した上で、しっかりと冷風が出て、冷えているか?を確認しましょう。
②
荷室内の匂いの確認
中古トラックだと、前のユーザーが何を運んだかによって荷室内のニオイが変わります。
生の鮮魚などを運んでいた車両などは、魚のニオイが強かったり、
塩水を使う為、後方のバンパー付近がサビている場合などがあります。
冷凍機を動作しながら荷室内の匂いもチェックしましょう。
③
仕様を確認する
購入する場合は、「低温冷凍車」なのか「中温冷凍車」なのかをまず選択をしましょう。
次に、冷凍機が「直結式」か「サブエンジン式」も確認しましょう
その上で、「スタンバイ装置の有無」・「キーストンの有無」・「ジョロダーレールの有無」等
の確認をしましょう。
通常、中古車の場合は、スタンバイケーブルが付いていない事が
多いので、販売店にスタンバイケーブルが付いているか?
別途購入する必要があるのか?
も確認する事をおススメ致します。
▶中古冷蔵・冷凍車の購入はトラック市がオススメな訳
中古の冷蔵・冷凍車の解説は如何でしたでしょうか?
冷蔵・冷凍車は、中古市場でも人気の高い車種になります。
トラック市では、各地域で信頼ある販売・整備工場のみで構成しておりますので、
車両整備やお客様に安心してご購入頂けるように、車両状態の開示を推進しております。
冷蔵・冷凍車は、新車も納期がかかる事が多いので、未使用車や中古トラックをうまく活用してみてください。
「トラック市」のサイトでは、冷蔵・冷凍車をメーカー・年代別や種類別での検索が可能となっております。
全国FC展開の「トラック市」なら、豊富な在庫と種類から希望する冷蔵・冷凍車がきっと見つかります。
「トラック市」のFC加盟店は、在庫品質・整備実績・会社の信用力など厳正な基準を満たした企業のみです。
また、業界初となる「商用車専用オリジナル保証付き(T-PROTECT)」で安心して購入いただけます。
中古トラックをお探しの方は、まずはサイトでご希望のトラックを検索してみてください。