【中古も人気】ユニック車とは?種類や必要な資格から探すときのポイントまでご紹介
トラック市本部
工事や建設現場などで幅広く活躍する「ユニック車」。中古市場でも多く流通していますが、種類がたくさんあることをご存知でしょうか?今回は、ユニック車の種類と中古で探す際にチェックしたいポイントをご紹介。扱う際に必要な資格・免許もご紹介しますので、ユニック車をお探しの方はぜひ参考にしてください。
目次
ユニック車とは
積載型トラックにクレーンを装備した車両
ユニック車とは、荷台のあるトラックにクレーン装備を兼ね備えたトラックです。正式には、「両積載形トラッククレーン」や「トラッククレーン」などといいます。
ユニック車という呼び方は、「古河ユニック株式会社」の車両の商品名が由来です。さまざまな名称がある中で、日本では「古河ユニック株式会社」のユニック車シェア率が多いことから、この呼び方が浸透したと考えられます。
また、ユニック車でできることは、具体的に以下2点です。
【ユニック車でできること】
- クレーンで荷物を持ち上げる、移動させる
- 荷物を荷台に積んで運搬する
ユニック車の種類は数多くあり、車種によって吊り上げられる荷物の重さや作業範囲が異なります。そのため、購入する際は、仕事環境に合ったトラックを検討することが何より大切です。
ユニック車と通常のクレーン車の違い
ユニック車 |
---|
![]() |
積載型トラックに小型クレーンを搭載した車両 |
クレーン車 |
---|
![]() |
クレーンを搭載した車両・貨車など全般 |
ユニック車は、クレーン車の一種です。クレーン車の中で、トラックにクレーンを装備した車両を指します。
一方、クレーン車とは、ユニック車を含むクレーンを搭載した車両や貨車などの総称です。ユニック車の他にも、さまざまな種類があります。クレーン車の種類によっては、ユニック車では扱えない重量のある荷物の持ち上げや運搬も可能です。
ユニック車の種類
ユニック車には、大きく分けて上記3つの種類があります。それぞれのユニック車の特徴を理解しておくと、ご自身の使用目的に合わせたユニック車を選べるでしょう。
ハイアウトリガー型
ハイアウトリガー型は、車体に「アウトリガー」と呼ばれる装置を搭載したタイプのユニック車です。
「アウトリガー」とは、車体の側面や前後などから脚のように伸びて車両を支える支柱のようなもの。車体を作業しやすい状態に傾けて安定させたり、不安定な現場でもしっかりと車両を支えたりできます。
- 安定感に優れる
- 傾斜をつけて作業も可能
なお、ハイアウトリガー型は、さらに3つに分類されます。それぞれの詳しい特徴を見てみましょう。
ハイアウトリガー
ハイアウトリガーとは、「ハイジャッキ」と呼ばれる長いアウトリガーを装備したユニック車です。
他のアウトリガーと比べてハイジャッキは長さがあるため、車体を高く上げられます。そのため、重機や車両などの運搬作業にとくに向いています。
リアアウトリガー
リアアウトリガーとは、アウトリガーが車両の前後に装備されているユニック車です。
アウトリガーが後ろにもあることで、斜面や足場の悪い不安定な場所でもクレーンと車体を安定させられるメリットがあります。主に、重量物の運搬車として使用されるケースが多いです。
差し違いアウトリガー
差し違いアウトリガーとは、アウトリガーの下部である「ジャッキ」の底が四角い形をしているユニック車です。別名「角足」と呼ばれることもあります。
車体とクレーンをジャッキがしっかりと支えてくれるため、比較的安定感に優れ、使い勝手も良好です。また、中古車市場でも、広く入荷されています。
キャブバック型
キャプバック型は、ユニック車の中でとくにベーシックなタイプです。運転台と荷台の間にクレーンが設置されています。レッカーや建設現場、土木工事現場など幅広い場所で使用されているユニック車です。
一般的にキャプバック型は、クレーンが前についている「クレーンつき」タイプが多く流通しています。中には、後ろにクレーンがついているタイプもあります。
- レッカーや建設現場など幅広く活躍
荷台内架装型

荷台架装型とは、トラックの荷台部分にクレーンが設置されているタイプのユニック車を指します。「簡易クレーン」とも呼ばれ、車体がコンパクトで狭い現場でも作業しやすいことが特徴です。
小回りが利くため、住宅が密集した市街地などでも扱いやすく、移動がスムーズという利点もあります。
- 車体がコンパクト
- 狭い現場でも作業しやすい
ユニック車を扱う際に必要な資格・免許
ユニック車を扱うには、運転と操作それぞれで資格や免許を取得する必要があります。公道を走るのは運転免許、クレーン操作を行うには専門の資格が必要です。また、クレーン操作に関係することは技術講習も用意されています。
また、ユニック車のサイズや吊り上げる荷物の重さにより、必要な免許や資格が異なることを覚えておきましょう。扱うユニック車の種類やご自身の希望する業務に合わせて、必要な資格と免許の取得をおすすめします。
公道走行に必要な免許
ユニック車で公道を走行するためには、「自動車運転免許」が必須です。自動車運転免許には普通免許や中型免許などの種類がありますが、ユニック車のサイズによって必要な免許が異なります。
車両総重量・最大積載量別に必要な免許は次の通りです。運転するユニック車がどれに該当するか、確認しておきましょう。
運転免許の種類 | 運転できる車両の範囲 |
---|---|
普通免許 | 車両総重量:3.5t未満/最大積載量:2t未満 |
準中型免許 | 車両総重量:7.5t未満※1/最大積載量:4.5t未満 |
中型免許 | 車両総重量:11t未満※2/最大積載量:6.5t未満 |
大型免許 | 車両総重量:11t以上/最大積載量:6.5t以上 |
※1:5t未満限定の場合は5t未満に限る ※2:8t未満限定の場合は8t未満に限る
クレーン操作に必要な資格
クレーン操作に必要な資格も、扱う荷物の重さによって異なります。代表的なものは、以下の通りです。
資格の種類 | 扱える荷物の重さ(吊り上げ荷重) |
小型移動式クレーン運転の特別教育 | 1t未満 |
小型移動式クレーン技能講習 | 5t未満 |
移動式クレーン運転士免許 | 5t以上 |
玉掛け技能講習 | 1t以上 |
「玉掛け業務」とは、荷物を吊り上げや移動をする際に行う、クレーンの装置やワイヤーロプなど用具の準備全般をいいます。ユニック車で1t以上の荷物をクレーンに設置する場合は、玉掛け技能講習の受講が必要です。
資格の種類と扱える荷物の重さを理解した上で、ご自身が希望する荷物の重さや仕事内容に合わせてクレーン操作に必要な資格を取得しましょう。
ユニック車を探すときに見るべき5つのポイント
中古市場でユニック車を探す際に、具体的に見るとよいポイントは上記5つです。ご自身の仕事内容や作業環境に適したユニック車を見つけられるよう、見極めポイントをご紹介します。
ラジコン装置の有無
ユニック車のクレーンは、無線または有線で操作します。ラジコン装置つきのユニック車であれば、無線でクレーンの操作が可能です。作業内容に合わせて、ラジコン装置の有無を検討するとよいでしょう。
また、無線にもさまざまな種類があります。メーカーによって、ラジコン内のボタンの位置が異なるため注意が必要です。
アウトリガーの種類
先ほどもご紹介したように、アウトトリガーには下記3つの種類があります。
- ハイアウトトリガー
- リアアウトトリガー
- 差し違いトリガー
それぞれ形状や得意とする作業環境などが異なるため、お仕事の内容や環境に合わせて選びましょう。
クレーンの荷重
ユニック車の種類により、吊り下げられる荷物の重さと範囲が異なります。基本的には、2.3t吊り・2.6t吊り・2.9t吊りの3種類が一般的です。クレーンの荷重が大きいユニック車ほど、車両総重量も大きくなるため、運転に必要な免許も異なります。 なお、クレーンの荷重は、クレーン先端についているフックなどの装置の質量も含まれた値です。扱うクレーンの荷重によって必要な資格も異なるため、購入時はしっかりとチェックしましょう。ブームの段数
ブームとは、ユニック車のクレーンの本体部分です。段数が多いものほどクレーンが長く伸びます。ブームの段数は、4段構造のものがとくに一般的です。 作業環境によって必要なクレーンの長さが異なるため、ブームの段数をチェックしておきましょう。フックインの有無
ユニック車の種類によっては、クレーンの先端についているフックの収納場所を搭載したタイプがあります。収納場所があるとフックが揺れにくいため、より安全に走行できるでしょう。 なお、フックインがないユニック車の場合は、フックをワイヤーで固定する必要があります。フックインがあるタイプと比べると、やや安定感が劣るでしょう。【人気メーカー別】ユニック車の特徴
日本では、「古河ユニック株式会社」「株式会社タダノ」といったメーカーのユニック車(ユニッククレーン)が多く流通しています。ここでは、人気メーカーごとのユニック車の特徴をご紹介します。
古河ユニック株式会社
「ユニック車」の呼び方が普及するきっかけにもなった、古河ユニック株式会社。多くのユーザーに支持される業界トップクラスのメーカーであり、赤色のクレーンが特徴です。
「ユニッククレーン」や「ハイアウトリガクレーン」などは、ラジコンをジョイスティック式とスイッチ式の2種類から選べます。ジョイスティック式は、ブーム部分とフック部分が連動して動くタイプで、スイッチ式は、それぞれ分けて操作できるタイプです。
代名詞であるトラッククレーンの他にも、船上で活躍する「オーシャンクレーン」や車両を運搬する「ユニックキャリア」なども販売しています。
株式会社タダノ
株式会社タダノは、日本初の油圧式クレーンを開発したメーカーです。建設用クレーンや車両搭載型クレーンを多く製造しており、日本国内に限らず海外でも高い評価を得ています。
株式会社タダノの「トラッククレーン」は、通常のトラックの荷台を取り外したところにクレーンを搭載していることが特徴です。走行用とクレーン操作用の運転席は、別々に存在しています。
この他にも、舗装道路や不整地など幅広く活躍できる「オールテレーンクレーン」や、走行と操作をひとつの運転席から対応できる自走式クレーン「ラフタークレーン」などがあります。
ユニック車についてよくあるQ&A
ユニック車についてのよくある疑問点をまとめました。中古でご購入前に、ぜひチェックしてみてください。
Q.ユニック車のメリット・デメリットは?
A.ユニック車のメリットは、さまざまな作業現場で幅広く対応できる利便性のよさです。 デメリットは、吊り重量が大きいほどバランスが安定しにくい点が挙げられます。
ユニック車のメリットとデメリットは下記の通りです。
メリット | デメリット |
|
|
ユニック車は、1台でトラックとクレーン2役を担うメリットがあります。大型のクレーン車と比べて小回りが利くため、比較的狭い場所でも作業しやすいのが魅力です。
一方、デメリットとしては、ユニック車の種類によっては不安定な地面などで作業すると、バランスを崩しやすくなる可能性が考えられるでしょう。
Q.ユニック車を扱えるようになる利点は?
A.仕事を行える作業範囲が広がります。
ユニック車の運転・操作ができると、荷物を吊り上げたり移動させたりとできる作業が増えます。建設や工事現場において、担当できる業務を広げたい方に利点があるといえるでしょう。
Q.ユニック車の運転・操作の注意点は?
A.不安定な地面では車体のバランスが悪くなるため、クレーン操作に注意が必要です。
ぬかるんだ地面など足場の悪い環境では、ユニック車の車体がバランスを崩しやすい傾向に。クレーンを最大まで伸ばさないなど、操作には細心の注意を払いましょう。
ユニック車の特徴を理解して最適な1台を選ぼう
ユニック車は、トラックとクレーンを1台で担う車両です。さまざまな種類があり、使用目的や作業環境よって適する種類が異なります。中古でユニック車を探す際は、それぞれの特徴を理解した上で、ご自身に合う1台を見つけることが大切です。
「トラック市」は信用力の高い企業のみが集まった中古車販売のFC組織です。「在庫品質」「整備実績」などあらゆる点で基準を満たした高品質なトラックを、自社在庫の中からお選びいただけます。数ある在庫の中から、業務にぴったりのユニック車をお探しください。
サイトではトラックのタイプやサイズで絞った検索もできます。ぜひ検索してみてください。
【トラック市】ユニック車の販売車両
「トラック市」では、豊富な種類のユニック車を販売しています。メーカー・サイズ・車種・クレーンの仕様などで簡単に検索可能です。
ご希望にぴったりのダブルキャブトラックをぜひ「トラック市」で探してみてください。取り扱い中のユニック車の一部をご紹介します。





