【中古も人気】ユニック車とは?種類や必要な資格から探すときのポイントまでご紹介

トラック市本部

工事や建設現場などで幅広く活躍する「ユニック車」。中古市場でも多く流通していますが、種類がたくさんあることをご存知でしょうか?今回は、ユニック車の種類と中古で探す際にチェックしたいポイントをご紹介。扱う際に必要な資格・免許もご紹介しますので、ユニック車をお探しの方はぜひ参考にしてください。

目次

ユニック車とは

積載型トラックにクレーンを装備した車両

ユニック車とは、荷台のあるトラックにクレーン装備を兼ね備えたトラックです。正式には、「両積載形トラッククレーン」や「トラッククレーン」などといいます。

ユニック車という呼び方は、「古河ユニック株式会社」の車両の商品名が由来です。さまざまな名称がある中で、日本では「古河ユニック株式会社」のユニック車シェア率が多いことから、この呼び方が浸透したと考えられます。

また、ユニック車でできることは、具体的に以下2点です。

【ユニック車でできること】

  • クレーンで荷物を持ち上げる、移動させる
  • 荷物を荷台に積んで運搬する

ユニック車の種類は数多くあり、車種によって吊り上げられる荷物の重さや作業範囲が異なります。そのため、購入する際は、仕事環境に合ったトラックを検討することが何より大切です。



ユニック車を探すときに見るべきポイントはこちら

ユニック車と通常のクレーン車の違い

ユニック車
積載型トラックに小型クレーンを搭載した車両
クレーン車
クレーンを搭載した車両・貨車など全般

ユニック車は、クレーン車の一種です。クレーン車の中で、トラックにクレーンを装備した車両を指します。

一方、クレーン車とは、ユニック車を含むクレーンを搭載した車両や貨車などの総称です。ユニック車の他にも、さまざまな種類があります。クレーン車の種類によっては、ユニック車では扱えない重量のある荷物の持ち上げや運搬も可能です。


ユニック車の正式名称

「ユニック」は通称名となり、

正式名称はトラック搭載型移動式クレーンを指します。

 

「ユニック」という通称は古河ユニック株式会社が提供する

「トラック搭載型移動式クレーン」の商標であり、


同様の形状でこの名称が使われることがありますが、

正式名称ではなく、あくまでも呼称という事を覚えておきましょう。


また、ユニック車を扱う上で下記の様々な法令からの観点から見ていきましょう。


□ 道路運送車両法上の位置付け

ユニック車は貨物自動車にクレーンを架装した車両ではありますが、

「特殊車両」には分類されず通常のトラックと同様に「貨物自動車」に分類されます。

□労働安全衛生法との関係

ユニック車のクレーン部分は、

労働安全衛生法に基づく「移動式クレーン」として扱われます。

また、以下のような規制が適用される場合があります。

・最大吊上荷重1t以上の場合は「小型移動式クレーン運転技能講習」資格が必要

※1t未満の場合は特別教育となります。

・定期自主検査(1年ごと)の実施義務(3年間の保存)

・クレーン装置への過負荷防止装置や巻過防止装置などの安全装置の設置義務

 

□道路交通法・建設業法との関係

ユニック車を道路上や現場で使用する場合は、

管轄の警察所への届け出が必要となる場合がありますので別途確認が必要となります。

大まかな分別として、

道路使用許可(道路を一時的に使用する行為についての許可)

例:工事現場でのクレーン車設置・道路上での荷物の積み下ろし・イベント開催時の仮設物設置

道路占用許可(交通に影響を与える作業やイベントを道路上で行うために、警察から受ける許可です。)

例:道路上への恒久的な看板設置・地下埋設物(ガス管、水道管など)の設置

詳細については最寄りの警察署へ確認しましょう。


ユニック車の種類

ユニック車には、大きく分けて上記3つの種類があります。それぞれのユニック車の特徴を理解しておくと、ご自身の使用目的に合わせたユニック車を選べるでしょう。

ハイアウトリガー型

ハイアウトリガー型は、車体に「アウトリガー」と呼ばれる装置を搭載したタイプのユニック車です。

「アウトリガー」とは、車体の側面や前後などから脚のように伸びて車両を支える支柱のようなもの。車体を作業しやすい状態に傾けて安定させたり、不安定な現場でもしっかりと車両を支えたりできます。

【ハイアウトリガー型のポイント】
  • 安定感に優れる
  • 傾斜をつけて作業も可能

なお、ハイアウトリガー型は、さらに3つに分類されます。それぞれの詳しい特徴を見てみましょう。

ハイアウトリガー

ハイアウトリガーとは、「ハイジャッキ」と呼ばれる長いアウトリガーを装備したユニック車です。

他のアウトリガーと比べてハイジャッキは長さがあるため、車体を高く上げられます。そのため、重機や車両などの運搬作業にとくに向いています。

リアアウトリガー

リアアウトリガーとは、アウトリガーが車両の前後に装備されているユニック車です。

アウトリガーが後ろにもあることで、斜面や足場の悪い不安定な場所でもクレーンと車体を安定させられるメリットがあります。主に、重量物の運搬車として使用されるケースが多いです。

差し違いアウトリガー

差し違いアウトリガーとは、アウトリガーの下部である「ジャッキ」の底が四角い形をしているユニック車です。別名「角足」と呼ばれることもあります。

車体とクレーンをジャッキがしっかりと支えてくれるため、比較的安定感に優れ、使い勝手も良好です。また、中古車市場でも、広く入荷されています。

キャブバック型

キャプバック型は、ユニック車の中でとくにベーシックなタイプです。運転台と荷台の間にクレーンが設置されています。レッカーや建設現場、土木工事現場など幅広い場所で使用されているユニック車です。

一般的にキャプバック型は、クレーンが前についている「クレーンつき」タイプが多く流通しています。中には、後ろにクレーンがついているタイプもあります。

【キャブバック型のポイント】
  • レッカーや建設現場など幅広く活躍
荷台内架装型

荷台架装型とは、トラックの荷台部分にクレーンが設置されているタイプのユニック車を指します。「簡易クレーン」とも呼ばれ、車体がコンパクトで狭い現場でも作業しやすいことが特徴です。

小回りが利くため、住宅が密集した市街地などでも扱いやすく、移動がスムーズという利点もあります。

【荷台内仮装型のポイント】
  • 車体がコンパクト
  • 狭い現場でも作業しやすい


2t~4tのサイズ別の寸法や用途の特性


1. 車両サイズの寸法目安(目安)


 2tユニック車
 (小型トラック)
4tユニック車
  (中型トラック)
全長
 約4.76.0m
 約6.58.5m
全幅
 約1.92.2m
 約2.22.3m
全高
 約2.52.8m
 約2.73.0m


※メーカーや車種により異なります。



2. 積載量・吊りトン数の違い(参考)


2tユニック車

4tユニック車

積載量

  約2.03.0t

3.54.5t

吊りトン数

  約2.02.9前後

2.93.0t以上

 

2t車サイズユニックの場合〉

狭い場所住宅街や都市部など駐車スペースが限られる場所などで活用できます。

4t車サイズユニックの場合〉

大規模建設現場などや長尺かつ高重量の物を効率的に行えます。


ユニック車を扱う際に必要な資格・免許

ユニック車を扱うには、運転と操作それぞれで資格や免許を取得する必要があります。公道を走るのは運転免許、クレーン操作を行うには専門の資格が必要です。また、クレーン操作に関係することは技術講習も用意されています。

また、ユニック車のサイズや吊り上げる荷物の重さにより、必要な免許や資格が異なることを覚えておきましょう。扱うユニック車の種類やご自身の希望する業務に合わせて、必要な資格と免許の取得をおすすめします。

公道走行に必要な免許

ユニック車で公道を走行するためには、「自動車運転免許」が必須です。自動車運転免許には普通免許や中型免許などの種類がありますが、ユニック車のサイズによって必要な免許が異なります。

車両総重量・最大積載量別に必要な免許は次の通りです。運転するユニック車がどれに該当するか、確認しておきましょう。

運転免許の種類 運転できる車両の範囲
普通免許 車両総重量:3.5t未満/最大積載量:2t未満
準中型免許 車両総重量:7.5t未満※1/最大積載量:4.5t未満
中型免許 車両総重量:11t未満※2/最大積載量:6.5t未満
大型免許 車両総重量:11t以上/最大積載量:6.5t以上

※1:5t未満限定の場合は5t未満に限る ※2:8t未満限定の場合は8t未満に限る

クレーン操作に必要な資格

クレーン操作に必要な資格も、扱う荷物の重さによって異なります。代表的なものは、以下の通りです。

資格の種類 扱える荷物の重さ(吊り上げ荷重)
小型移動式クレーン運転の特別教育 1t未満
小型移動式クレーン技能講習 5t未満
移動式クレーン運転士免許 5t以上
玉掛け技能講習 1t以上

「玉掛け業務」とは、荷物を吊り上げや移動をする際に行う、クレーンの装置やワイヤーロプなど用具の準備全般をいいます。ユニック車で1t以上の荷物をクレーンに設置する場合は、玉掛け技能講習の受講が必要です。

資格の種類と扱える荷物の重さを理解した上で、ご自身が希望する荷物の重さや仕事内容に合わせてクレーン操作に必要な資格を取得しましょう。

ユニック車を探すときに見るべき5つのポイント

中古市場でユニック車を探す際に、具体的に見るとよいポイントは上記5つです。ご自身の仕事内容や作業環境に適したユニック車を見つけられるよう、見極めポイントをご紹介します。

ラジコン装置の有無

ユニック車のクレーンは、無線または有線で操作します。ラジコン装置つきのユニック車であれば、無線でクレーンの操作が可能です。作業内容に合わせて、ラジコン装置の有無を検討するとよいでしょう。

また、無線にもさまざまな種類があります。メーカーによって、ラジコン内のボタンの位置が異なるため注意が必要です。

アウトリガーの種類

先ほどもご紹介したように、アウトトリガーには下記3つの種類があります。

  • ハイアウトトリガー
  • リアアウトトリガー
  • 差し違いトリガー

それぞれ形状や得意とする作業環境などが異なるため、お仕事の内容や環境に合わせて選びましょう。

アウトリガーについてはこちらをチェック

クレーンの荷重

ユニック車の種類により、吊り下げられる荷物の重さと範囲が異なります。基本的には、2.3t吊り・2.6t吊り・2.9t吊りの3種類が一般的です。クレーンの荷重が大きいユニック車ほど、車両総重量も大きくなるため、運転に必要な免許も異なります。 なお、クレーンの荷重は、クレーン先端についているフックなどの装置の質量も含まれた値です。扱うクレーンの荷重によって必要な資格も異なるため、購入時はしっかりとチェックしましょう。

ブームの段数

ブームとは、ユニック車のクレーンの本体部分です。段数が多いものほどクレーンが長く伸びます。ブームの段数は、4段構造のものがとくに一般的です。 作業環境によって必要なクレーンの長さが異なるため、ブームの段数をチェックしておきましょう。

フックインの有無

ユニック車の種類によっては、クレーンの先端についているフックの収納場所を搭載したタイプがあります。収納場所があるとフックが揺れにくいため、より安全に走行できるでしょう。 なお、フックインがないユニック車の場合は、フックをワイヤーで固定する必要があります。フックインがあるタイプと比べると、やや安定感が劣るでしょう。


・中古ユニック車の価格相場・年式の傾向


中古ユニック車を検討する際、

・「年式による価格の差」

・「どの程度の年式なら安心して使えるか」という点です。

ここでは5年落ち・10年落ちの違いを中心に

価格帯の目安や購入時のチェックポイントを解説します。


□ 年式別の価格帯目安(目安)

年式

走行距離目安

価格帯(例)

備考

新車

0年落ち)

1km

800万円〜1,200万円

装備・クレーン能力により価格幅大

5年落ち

5万〜8km

400万〜700万円

程度の良い中古が多く、コスパ

10年落ち

10万〜15km

200万〜400万円

状態・メンテ履歴が重要

15年落ち〜

15km

100万円前後〜

低価格だが稼働実績・

整備記録が特に重要

価格は参考程度となります。メーカー・装備・相場により変動があります



また、クレーン(上物)部分の装備・仕様により価値(値段)が変わる為用途に応じた

車両の選択が必要となります。


一般的な人気・売れ筋タイプは

「ブーム数が4段~5段、フックイン機能、ラジコン有」の車両となります。


それに加えて中古トラックを選択する際は

 クレーンの過去の使用頻度や用途(建築現場か軽作業か)
年次点検記録簿の有無(前所有者までの消耗具合)


上記を踏まえて車両を選択しましょう。



【人気メーカー別】ユニック車の特徴

日本では、「古河ユニック株式会社」「株式会社タダノ」といったメーカーのユニック車(ユニッククレーン)が多く流通しています。ここでは、人気メーカーごとのユニック車の特徴をご紹介します。

古河ユニック株式会社

「ユニック車」の呼び方が普及するきっかけにもなった、古河ユニック株式会社。多くのユーザーに支持される業界トップクラスのメーカーであり、赤色のクレーンが特徴です。

「ユニッククレーン」や「ハイアウトリガクレーン」などは、ラジコンをジョイスティック式とスイッチ式の2種類から選べます。ジョイスティック式は、ブーム部分とフック部分が連動して動くタイプで、スイッチ式は、それぞれ分けて操作できるタイプです。

代名詞であるトラッククレーンの他にも、船上で活躍する「オーシャンクレーン」や車両を運搬する「ユニックキャリア」なども販売しています。

株式会社タダノ

株式会社タダノは、日本初の油圧式クレーンを開発したメーカーです。建設用クレーンや車両搭載型クレーンを多く製造しており、日本国内に限らず海外でも高い評価を得ています。

株式会社タダノの「トラッククレーン」は、通常のトラックの荷台を取り外したところにクレーンを搭載していることが特徴です。走行用とクレーン操作用の運転席は、別々に存在しています。

この他にも、舗装道路や不整地など幅広く活躍できる「オールテレーンクレーン」や、走行と操作をひとつの運転席から対応できる自走式クレーン「ラフタークレーン」などがあります。

「トラック市」でユニック車をみる

ユニック車についてよくあるQ&A

ユニック車についてのよくある疑問点をまとめました。中古でご購入前に、ぜひチェックしてみてください。

Q.ユニック車のメリット・デメリットは?

A.ユニック車のメリットは、さまざまな作業現場で幅広く対応できる利便性のよさです。 デメリットは、吊り重量が大きいほどバランスが安定しにくい点が挙げられます。

ユニック車のメリットとデメリットは下記の通りです。

メリット デメリット
  • 1台でトラックとクレーン2役を担う
  • 小回りが利き、比較的に狭い場所でも作業しやすい
  • 使い勝手がよく運転操作しやすい
  • 不安定な地面などで作業する場合、バランスを崩しやすい

ユニック車は、1台でトラックとクレーン2役を担うメリットがあります。大型のクレーン車と比べて小回りが利くため、比較的狭い場所でも作業しやすいのが魅力です。

一方、デメリットとしては、ユニック車の種類によっては不安定な地面などで作業すると、バランスを崩しやすくなる可能性が考えられるでしょう。

Q.ユニック車を扱えるようになる利点は?

A.仕事を行える作業範囲が広がります。

ユニック車の運転・操作ができると、荷物を吊り上げたり移動させたりとできる作業が増えます。建設や工事現場において、担当できる業務を広げたい方に利点があるといえるでしょう。

Q.ユニック車の運転・操作の注意点は?

A.不安定な地面では車体のバランスが悪くなるため、クレーン操作に注意が必要です。

ぬかるんだ地面など足場の悪い環境では、ユニック車の車体がバランスを崩しやすい傾向に。クレーンを最大まで伸ばさないなど、操作には細心の注意を払いましょう。

ユニック車の特徴を理解して最適な1台を選ぼう

ユニック車は、トラックとクレーンを1台で担う車両です。さまざまな種類があり、使用目的や作業環境よって適する種類が異なります。中古でユニック車を探す際は、それぞれの特徴を理解した上で、ご自身に合う1台を見つけることが大切です。

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