【解説】深ダンプ(土砂禁ダンプ)とは?特徴や種類、購入時の注意点について
トラック市本部
新車でも中古市場でも高い人気の深ダンプ!
この記事では、深ダンプを中心にダンプの種類や特徴などを解説します。
人気メーカーごとの特徴についてもご紹介するので、使い勝手がよいトラックをお探しの方、
深ダンプトラックの購入を考えている方はぜひ参考にしてください。
目 次
深ダンプとは?

ダンプトラックとは、荷台の後ろを傾ける事によって積載物をおろすトラックを言います。
トラックの種類の中でも、ダンプは良く使われているトラックの為、よく見かけることが出来ます。
このダンプトラックもいろいろと種類がありますが、
今回は「深ダンプ」を解説していきたいと思います。
深ダンプとは、別名「土砂禁ダンプ」ともいわれます。この深ダンプも非常に人気の
高い車両で、中古車相場としても常に相場が高い車種の1つです。
基本的な構造は通常のダンプトラックと同じですが、
荷台の廻りのアオリの高さが通常のダンプよりも高く設定されたダンプとなります。
サイズとしては、軽の深ダンプから大型まである車種となっております。
アオリを高くする事で、荷室の容量(容積)が大きくなる為、比重の軽い牧草・飼料
やゴミ、石炭・チップなど軽いもの多くのものを運ぶことが出来ます。
但し、土砂などの比重の重いものを運ぶと過積載となりますので、
積載物に制限があり土砂禁ダンプと言われております。
車検証にも、「積載物は、土砂等以外のものとする」と明記されております。
深ダンプで積載してはいけない「積載物は、土砂等以外のものとする」
土砂等以外には何があるのか?
土砂等も含めて積載してはいけないものを上げておきます。
【積載してはいけないもの(例)】
・土 ・砂利 ・汚泥 ・鉱さい ・ガラスくず ・アスファルト/コンクリート(コンクリートくず含む) ・がれき ・レンガ ・陶磁器(くず等も含む) ・モルタル 等 |
深ダンプの種類と特徴は?
深ダンプにも、数は少ないですが用途・目的に応じた種類があります。主な3つの種類と特徴をご紹介します!
>ファームダンプ

牧場等で使う深ダンプです。こちらは、飼料、牧草や収穫物や家畜の糞尿などを運ぶダンプでアオリの密閉性が高くなっております。
又、糞尿等を運ぶ際は、アオリの鉄を腐食させてしまう為、アオリの内側に「ステンレス張り加工」をする事があります。
又、アオリの底の両サイドの内側に傾斜を付けて船底のような形にすると糞尿等が詰まらず、へばり付きにくくなる為、
ステンレス仕様と船底仕様が一緒になっている仕様も多くみられます。
ステンレス張り加工は、他の仕様に比べ材料費と加工に手間がかかる為、高くなるのが一般的です。
>チップダンプ

ウッドチップなど木片を運ぶための深ダンプを「チップダンプ」と呼びます。
基本的な仕様は通常の深ダンプと同じです。チップや木片は、軽い為、強い風が吹くと
飛んでしまう為、開閉式の天蓋(てんぶた)付やシートが付いている仕様があります。
>清掃ダンプ

清掃用のゴミや落ち葉などを運ぶ為の深ダンプです。
こちらも基本的な仕様は通常と同じですが、リヤのアオリが観音式になっている
タイプが多くなっております。軽ダンプは、清掃用ダンプとしてカタログにラインアップされております。
深ダンプは土砂の積載が禁止されていますが、軽くてかさばる資材の輸送においては非常に高い積載効率を発揮します。以下に深ダンプで運搬可能な代表的な積載物をまとめました。
◆深ダンプで運べる物一覧
| カテゴリ | 積載物の例 |
|---|---|
| 農業・畜産系 | 牧草・飼料・もみ殻・家畜の糞尿・農作物くず |
| 木材・林業系 | ウッドチップ・木くず・伐採材・製材端材・バイオマス燃料 |
| 廃棄物・リサイクル系 | 一般廃棄物・産業廃棄物・廃プラスチック・発泡スチロール・梱包材 |
| 金属・スクラップ系 | 鉄くず・非鉄金属スクラップ・廃家電・OA機器 |
| 建設系廃材 | 廃石膏ボード・断熱材・木造解体材・軽量廃材 |
| その他 | 落ち葉・剪定枝・石炭・コークス |
【注意点】
見た目が土砂に類似した混合廃棄物(砕石を含む廃材など)は、土砂等運搬禁止車両による運搬と誤認される可能性があります。積載前に積載物の性状を必ず確認し、疑わしい場合は運搬証明書や積載内容を明記した書類を携帯するようにしましょう。
また、産業廃棄物処理法や地方自治体の条例により、特定の廃材には収集運搬許可やマニフェスト(産業廃棄物管理票)の携帯が必要になる場合があります。事前に確認してください。
◆土砂禁ダンプの罰則は?~なぜ規制されているのか~
深ダンプは先に説明した通り「積載物は土砂等以外のものとする」と定められています。ではなぜ土砂の積載が禁止されているのでしょうか。罰則の内容と合わせて、規制の背景を理解しておきましょう。
【なぜ深ダンプで土砂を運んではいけないのか?】
①過積載になりやすい構造だから
深ダンプはアオリが高く荷台容積が非常に大きいため、土砂のような比重の重い物を積むと、見た目には「まだ積める」ように見えても、実際には既に最大積載量を大幅に超えてしまっている状況なります。過積載は車両への著しい負担となり、ブレーキ性能の低下や横転事故の原因になります。
②構造的に土砂運搬に適していないから
深ダンプは元々軽くかさばる廃棄物やチップ類の輪送を目的に設計されています。重量があり崩れやすい土砂は、深いアオリ構造の荷台では安定的に積載・排出することが難しく、走行中の荷崩れや排出時の事故のリスクが高まります。
③土砂の飛散による道路環境への悪影響
雨でぬれた土砂が走行中に道路へ落下・流出すると、路面が滑りやすくなり重大な事故につながります。また、落下物による道路の汚損や清掃コストの増大も問題となります。
④不法投棄・不適正処理の防止
荷台が深く積載物が外から見えにくい構造は、不正な廃棄や処理の温床になりやすいため、行政としても土砂の運搬を厳しく監視しています。
【罰則の内容】
これらの背景から、深ダンプによる土砂の積載は通称「ダンプ規制法」(正式名所:土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法)によって禁止されています。違反した場合、まず事業者に対して土砂の積載が可能となるよう車両の構造変更を行う車両整備命令が下されます。それに従わない場合は、ダンプ規制法違反として3万円いかの罰金が科されます。ここで重要なのは、この「罰金」は交通違反の反則金とは異なり、刑事処分として「前科」扱いになるという点です。金額の問題だけではなく、人の命に関わる重大な事故につながる行為であることを十分に認識し、深ダンプで土砂を積載することは絶対に行わないようにしましょう。
深ダンプに必要な免許は?

深ダンプだからといって、特殊な免許は必要ありません。通常の、自動車免許があれば
乗る事は出来ますが、免許に応じた車両でなければなりませんので、ご自分の免許で
乗る事が出来る車両であるかの確認は必要です。(積載量と車両総重量に注意)
中古深ダンプトラックを購入する時の注意点は?

車両自体の確認をすることは言うまでもありませんが、
ここでは、深ダンプ特有の購入時のその他の注意点について解説していきます。
深ダンプを購入する際にまず確認をしなければならいのが、「車検証」です。
車検証の備考欄に、「積載物は土砂以外のものとする」と記載があるかどうかの確認をしてください。
もし記載がない場合は、陸運局に持込みをし「構造変更手続き」が必要になります。
構造変更手続きにより、車検証に記載の積載量が変更になる場合もありますので、注意が必要です。
次に、アオリの高さは車両によって異なりますので、積載容積が異なります。
荷台部分の「全長」・「全幅」・「全高」を確認し、積載容積の計算をして
問題ないかを確認をしてください。
【購入時の注意点】
・車検証を確認し、備考欄に「積載物は土砂以外のものとする」とあるか確認をする。 ・荷台の長さ・幅・高さを確認し、積載の容積と積載量が問題ないか確認をする |
深ダンプトラックは、用途に合わせて使うことでメリットを最大限に活かせます。
メーカー別の特徴も理解して、目的に合うピッタリの1台を探してみましょう。
ただ、発売された年代によって同じメーカーでも特徴が異なるため、
中古市場で探す際には確認が必要です。
積載時の注意点(飛散・荷崩れ・マニフェスト)
深ダンプ(土砂禁止ダンプ)は大量の軽量資材を効率よく運べる大変便利な車両ですが、その高いアオリの特性ゆえに運用上、特有のルールやリスクが存在します。購入検討者や実際の現場運用者が絶対に押さえるべき「4つの安全対策」を現場目線で解説します。
■ ① 飛散・荷崩れ防止対策
深ダンプが運ぶウッドチップ、牧草、発泡スチロールなどは軽量で風に煽られやすいため、走行中の「飛散」には細心の注意が必要です。アオリが高いからと過信せず、天蓋(シート)の確実な展張やダンプシートでの密閉を徹底してください。また、荷台内で偏りがあると右左折時に荷崩れを起こし、横転リスクが高まるため、均等に積み込むのが現場の基本です。
■ ② 過積載の防止
「土砂禁止だから重いものは積まない」と思っていても、水分を多く含んだ堆肥や、雨晒しになった木くずなどを山積みにすると、想定以上の重量となり過積載になるケースがあります。深ダンプは容積が大きいため「入るから」と限界まで積むのは危険です。積載物の状態(濡れ具合)を考慮し、車両の最大積載量を常に意識した運用を行ってください。
■ ③ 産業廃棄物マニフェストの携帯義務
廃プラスチックや建設廃材など、産業廃棄物に該当するものを運搬する際は、「産業廃棄物管理票(マニフェスト)」の携帯義務があります。これは法律(廃棄物処理法)で定められており、万が一携行していない場合や不適切な記載がある場合は、厳しい罰則の対象となります。ドライバー任せにせず、出発前に書類が揃っているか確認する仕組みが大切です。
■ ④ 荷姿による誤認リスクへの対応
解体現場から出る「混合廃棄物(砕石やコンクリートガラが混ざった廃材)」などを積んでいると、パッと見の荷姿から「土砂を密密に積んでいる(土砂等運搬禁止違反)」と警察や取締り官に誤認されるリスクがあります。無用なトラブルやタイムロスを防ぐためにも、積載物の性質を証明する運搬証明書やマニフェストをすぐ提示できるよう、ダッシュボード等に整理しておくのが現場のスマートな自己防衛策です。
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