大型ダンプは、土木・建設工事、採石場、土砂・砂利・砕石の運搬など、大量の積載物を効率よく運ぶ現場で使用される大型トラックです。
一般に「10tダンプ」と呼ばれることも多いですが、実際の最大積載量は車両によって異なり、8t台・9t台から10tを超える仕様まであります。
さらに大型ダンプでは、車両総重量(GVW)20t・22t・25t、土砂ダンプ・強化ダンプ・ロングダンプ・深ダンプ、1デフ・2デフなど、用途によって仕様が大きく異なります。
中古の大型ダンプを購入する際は、年式・走行距離・価格だけを見るのでは不十分です。
最大積載量、GVW、荷台寸法、土砂・土砂禁の区分、1デフ・2デフ、荷台の摩耗や変形、油圧装置、ホイスト、PTO、フレーム、登録条件まで確認することが重要です。
特に大型ダンプは、同じ車種・同じ年式でも、それまで何を積み、どのような現場で使用されてきたかによって、車両本体やダンプ架装の状態に大きな差が出ます。
本記事では、全国の商用車販売店ネットワーク「トラック市」が、大型ダンプの種類、20t・22t・25tの違い、最大積載量、土砂ダンプと土砂禁ダンプ、ロングダンプ、1デフ・2デフ、中古価格相場、現車確認、登録時の注意点まで詳しく解説します。
データ基準日:2026年9月18日
掲載台数、保証内容、掲載車両の構成などは基準日時点の情報です。最新の在庫・サービス内容は各ページでご確認ください。
大型ダンプとは?なぜ「10tダンプ」と呼ばれるのか
大型ダンプとは、大型トラックのシャシにダンプ用の荷台を架装し、油圧装置によって荷台を傾けて積載物を排出できる車両です。
土砂、砂利、砕石などを運搬する土砂ダンプのほか、用途に合わせて強化ダンプ、耐摩耗鋼板仕様、Lゲート・Fゲート、ロングダンプ、深ダンプ、土砂禁ダンプなどさまざまな仕様があります。
大型ダンプは一般に「10tダンプ」と呼ばれることがありますが、この「10t」は実際の最大積載量が必ず10,000kgであることを意味するものではありません。
大型トラックの代表的なクラスを慣用的に「10t車」「10tダンプ」と呼ぶことが多く、実際には車両重量、シャシ、GVW、荷台、補強、追加装備などによって最大積載量が変わります。
そのため、「10tダンプ」という呼び方だけで積載量を判断せず、個々の車両の車検証に記載された最大積載量を確認してください。
関連記事|10トントラックの基本を知りたい方へ
10トントラック全般のサイズ・積載量・必要な免許などについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
大型ダンプの主な種類|土砂・強化・Lゲート・ロング・土砂禁
中古大型ダンプを選ぶ際は、最初に「何を運ぶためのダンプなのか」を明確にすることが重要です。
土砂ダンプ
土・砂利・砕石などの運搬を想定した一般的なダンプです。
確認したいポイント
最大積載量、荷台寸法、床・アオリの摩耗、登録条件
強化ダンプ
床板・アオリ・骨組みなどを用途に合わせて強化した仕様があります。
確認したいポイント
板厚、補強方法、積載用途、上物メーカー・型式
耐摩耗鋼板仕様
Hardox®(SSAB社の耐摩耗鋼板)など、摩耗に強い鋼材を使用した仕様があります。
確認したいポイント
使用鋼材、板厚、床・アオリの摩耗状態
Lゲート・Fゲート
リヤゲートの構造に特徴があり、積載物を排出しやすくした仕様です。
確認したいポイント
ゲート開閉、ヒンジ、ロック、変形・摩耗
ロングダンプ・長尺土砂ダンプ
標準的な大型土砂ダンプより長い荷台を備えた土砂運搬用の仕様があります。
確認したいポイント
荷台長、積載量、GVW、車両全長、現場への進入性
深ダンプ・長尺深あおりダンプ
高いアオリと大きな荷台容積を持ち、一般に土砂禁仕様として軽比重物の運搬に使用されます。
確認したいポイント
土砂禁の登録、荷台容積、最大積載量、積載物
強化ダンプと耐摩耗鋼板仕様は同じ意味ではない
中古車情報では「強化ダンプ」「Hardox®」「耐摩耗鋼板」などの表記を見ることがあります。
強化ダンプは、床板やアオリ、骨組みなどを用途に応じて強化した仕様を指して使われることがあります。一方、耐摩耗鋼板仕様は、摩耗に強い鋼板を使用した仕様です。
「強化ダンプだから必ずHardox®を使用している」「Hardox®だから強化ダンプ」とは限りません。
実際の鋼材、板厚、補強箇所、上物メーカーの仕様を確認してください。
ロングダンプとは?土砂用と土砂禁の両方がある
ロングダンプとは、一般的な大型ダンプより長い荷台を備えたダンプを指す呼び方です。
ただし、「ロングダンプ=土砂ダンプ」「ロングダンプ=土砂禁」と決まっているわけではありません。
大型クラスでは、土・砂利・砕石などを運搬する長尺土砂ダンプと、軽くてかさばる積載物を運搬する長尺深あおりダンプ・土砂禁仕様の両方があります。
長尺土砂ダンプ
主な積載物
土、砂利、砕石など
特徴
通常の大型土砂ダンプより長い荷台を持つ仕様
用途例
土木・建設工事、土砂・砂利・砕石、骨材などの輸送
長尺深あおりダンプ・土砂禁
主な積載物
飼料、コークス、木材チップなどの軽比重物
特徴
長い荷台と高いアオリで大きな荷台容積を確保
用途例
軽くてかさばる物を一度に多く運搬する用途
メーカーの仕様例では、長尺土砂ダンプにGVW22t・25tクラスがあり、GVW22tではボデー長約6,000~6,500mm、GVW25tでは約7,500~8,000mmの例があります。
長尺深あおりダンプでは、GVW22tで約6,000~8,000mm、GVW25tでは約8,000~9,000mmのボデー長の例があります。
これらはメーカーの仕様例であり、すべてのロングダンプが同じ寸法・積載量になるわけではありません。
ロングダンプで確認したいポイント
- 土砂用か土砂禁か
- 実際に運ぶ積載物
- 荷台内寸の長さ・幅・高さ
- 最大積載量
- GVW
- 荷台容積
- 車両全長
- 上物メーカー・型式
- リヤゲート形状
- 現場への進入性・旋回スペース
- 日常的に走行する道路条件
ロングダンプは輸送効率を高められる反面、標準的な大型ダンプより車両全長が長くなる場合があります。
狭い工事現場、採石場・資材置場への進入路などでは、積載量だけでなく取り回しまで含めて判断することが重要です。
深ダンプは一般に土砂禁仕様として使われる
深ダンプは、アオリを高くして荷台容積を大きくしたダンプです。
大型の深ダンプは、一般に「土砂等積載禁止車」、いわゆる土砂禁仕様として使用される車両が多く見られます。
ただし、「深ダンプ」という形状名だけで土砂運搬の可否を判断しないことが重要です。
中古車を購入する際は、車検証、登録内容、架装仕様を確認してください。
ダンプトレーラーは大型ダンプとは別に考える
大量輸送では、トラクタとダンプ式セミトレーラーを組み合わせた「ダンプトレーラー」「トレーラーダンプ」も使用されます。
ただし、単車の大型ダンプとは、連結構造、必要な免許、軸重、全長、旋回性、通行条件などが異なります。
単純に積載量だけで比較せず、実際の運行・現場条件にダンプトレーラーが適しているかを別途検討してください。
大型ダンプの車両総重量(GVW)|20t・22t・25tの違い
大型ダンプを選ぶ際には、「10tダンプ」という呼び方だけでなく、最大積載量と車両総重量(GVW)を分けて確認することが重要です。
GVW20t・22t・25tの「20t・22t・25t」は、積める荷物の重量ではなく、車両本体・乗員・積載物を含めた車両総重量を表します。
GVW20t
重さ指定道路等での主な条件
最遠軸距5.5m未満など
中古車で確認したいポイント
実際の最大積載量、荷台寸法、車両重量
GVW22tまで
重さ指定道路等での主な条件
最遠軸距5.5m以上7m未満で、空車時の車両長9m以上の場合
中古車で確認したいポイント
軸距・車両長・道路条件、最大積載量
GVW25tまで
重さ指定道路等での主な条件
最遠軸距7m以上で、空車時の車両長11m以上の場合
中古車で確認したいポイント
軸距、全長、走行経路、道路の重量制限
最遠軸距が7m以上でも、空車時の長さが9m未満であれば20t、9m以上11m未満であれば22tまでとなるなど、車両長によって条件が変わります。
また、これらは高速自動車国道や重さ指定道路等における総重量の最高限度に関する考え方です。その他の道路では一般的制限値や通行条件が異なります。
メーカーの製品例では、GVW22tの長尺土砂ダンプを「12トンダンプ」、GVW25tを「14トンダンプ」とする例もありますが、実際の最大積載量は1台ごとに異なります。
22t・25t車を使用する場合は、車両の仕様だけでなく、実際に走行する経路や特殊車両通行許可等の要否についても確認してください。
中古大型ダンプの価格相場と価格を左右するポイント
中古大型ダンプの価格は、年式、走行距離、最大積載量、GVW、ダンプ仕様、上物、車両状態などによって大きく異なります。
トラック市の2025年9月18日~2026年9月18日の過去の掲載・登録データ延べ508件では、掲載価格の平均値や中央値は次のとおりです。
平均価格
約1,280万円
中央値
約1,170万円
中心50%の価格帯
約570~1,930万円
※トラック市の過去掲載・登録データに基づく参考値です。掲載価格は実際の成約価格ではありません。年式・走行距離・仕様・車両状態などによって価格は異なります。
大型ダンプは価格幅が非常に大きいため、平均価格だけでなく中央値を見ることも重要です。
さらに年式別の中央値を見ると、価格差がはっきりします。
2010年以前
掲載価格中央値
約315万円
2011~2015年
掲載価格中央値
約490万円
2016~2020年
掲載価格中央値
約1,045万円
2021~2026年
掲載価格中央値
約1,980万円
このように、年式の古い大型ダンプでは数百万円台の車両もある一方、高年式車では1,000万円を大きく超え、2021年以降の中央値は約1,980万円となっています。
ただし、同じ年式でも土砂ダンプ、強化ダンプ、Lゲート、ロングダンプ、深ダンプ・土砂禁などの仕様や、走行距離、最大積載量、上物、車両状態によって価格は大きく変わります。
そのため、中古大型ダンプを比較するときは、価格だけを見るのではなく、できるだけ年式・走行距離・最大積載量・GVW・ダンプ仕様が近い車両同士で比較することが重要です。
年式
高年式になるほど価格が高くなる傾向があります。
走行距離
距離だけでなく、整備履歴や使用状況と合わせて判断します。
GVW・最大積載量
20t・22t・25tなどの仕様や実際の積載量を比較します。
ダンプ仕様
標準、強化、Lゲート、ロング、深ダンプ、土砂禁などで価格差が生じます。
上物メーカー・年式
架装メーカー、上物型式、製造年なども比較します。
荷台・油圧装置の状態
床・アオリ・ホイスト・シリンダーなどの状態は購入後の修理費にも影響します。
追加装備
電動シート・飛散防止装置、自重計、リターダ、アルミホイールなどの装備内容も異なります。
用途に合った大型ダンプの選び方
大型ダンプ選びでは、車両を探す前に「何を運ぶのか」「どこで使うのか」「どの道路を走るのか」を整理しておくと必要な仕様が明確になります。
① 運ぶ物を決める
土・砂利・砕石を運ぶのか、木材チップや飼料などの軽比重物を運ぶのかによって適した荷台が変わります。
土砂運搬が目的であれば土砂ダンプ、軽くかさばる積載物であれば深ダンプ・土砂禁仕様などを検討します。
② 必要な最大積載量とGVWを確認する
「大型だから十分積める」と判断せず、実際に運ぶ物の重量と車検証の最大積載量を照合します。
20t・22t・25tといったGVWの違いと、最大積載量は別に確認してください。
③ 荷台寸法を確認する
同じ大型ダンプでも荷台長・荷台幅・アオリ高さは異なります。
重量だけでなく、実際の積載物に必要な荷台容積も確認してください。
④ 1デフ・2デフの違い|6×2と6×4をどう選ぶ?
大型ダンプの中古車情報では、「1デフ」「2デフ」「6×2」「6×4」といった表記を見ることがあります。
大型3軸車では、一般に1デフは6×2、2デフは6×4の駆動方式を指します。
1デフ(6×2)
代表的な駆動方式
6×2
駆動する後軸
後2軸のうち1軸
駆動力
駆動軸が1軸のため、路面状況によっては6×4より駆動力を確保しにくい場合があります。
積載性・経済性
駆動系が比較的シンプルで、積載性・経済性を重視した仕様があります。
主な使用イメージ
舗装路中心、比較的路面条件の良い現場
2デフ(6×4)
代表的な駆動方式
6×4
駆動する後軸
後2軸
駆動力
後2軸を駆動するため、未舗装路などで駆動力を確保しやすい構成です。
積載性・経済性
駆動力を重視する構成で、1デフより車両重量が増える場合があります。
主な使用イメージ
土木・建設現場、採石場、未舗装路、ぬかるみ、勾配のある場所
大型土砂ダンプでは2デフ(6×4)が多く流通しており、基準日時点で確認したトラック市の掲載車両データでも6×4が大半を占めています。
一方、1デフ(6×2)の大型ダンプも存在します。
「大型ダンプなら必ず2デフの方がよい」というわけではありません。
舗装道路を中心に走り、比較的路面条件の良い場所で使用する場合は、1デフの積載性や経済性がメリットになる場合があります。
土木・建設現場、採石場、未舗装路、ぬかるみ、勾配のある場所へ入る機会が多い場合は、2デフの駆動力がメリットになります。
トラック市では1デフ・2デフで在庫を絞り込めます
トラック市では、大型ダンプの在庫を「こだわりの条件から探す」の 「駆動」から、 6×2(1デフ)・6×4(2デフ)で絞り込んで検索できます。
使用する現場に合った駆動方式を決めたら、実際の在庫を比較してみてください。
デフロックと2デフは別のもの
「2デフ」と「デフロック」は同じ意味ではありません。
2デフは後ろ2軸を駆動する車両構成を表す呼び方です。一方、デフロックは滑りやすい路面などで駆動力を確保するための機構です。
中古車では、2デフだからデフロック付きと判断せず、装備の有無を個別に確認してください。
⑤ 使用する現場・走行経路を確認する
大型ダンプは車両自体が大きいため、進入路、旋回スペース、道路幅、高さ制限、重量制限、荷下ろし場所なども確認する必要があります。
特に22t・25t車やロングダンプは、日常的に走行する道路が車両に適しているかまで確認してください。
⑥ 土砂ダンプか土砂禁仕様かを確認する
見た目だけでは判断せず、車検証・登録内容を確認し、実際に運びたい積載物に適した車両を選びましょう。
⑦ 電動シート・自重計・リターダなどの装備を確認する
大型ダンプでは使用環境によって必要な装備も異なります。
- 電動シート・飛散防止装置:一般に「コボレーン」と呼ばれる装置を含め、積載物の飛散防止や作業性を確認
- 自重計:土砂等運搬大型自動車に該当する場合に重要な装備
- リターダ:長い下り坂などで補助ブレーキとして使用
- デフロック:滑りやすい路面などで駆動力確保を補助
- アルミホイール:重量・外観・仕様などを確認
- 可動式リヤバンパー:架装・使用条件に合わせて確認
⑧ 抹消中の大型ダンプは「減トン」の可能性も確認する
一時抹消などで現在ナンバーが付いていない中古大型ダンプを購入する場合は、以前の最大積載量がそのまま取得できるとは限らない点に注意が必要です。
抹消中の車両を再び使用する際には新規検査を受けます。その際、車両の現状や車両総重量・軸重等の許容限度、タイヤの負荷能力などをもとに最大積載量が算定されます。
そのため、以前の車検証より最大積載量が少なくなる、いわゆる「減トン」となる場合があります。
大型ダンプでは、荷台の補強、ステンレス張り、追加架装、燃料タンク、工具箱などによって車両重量が変わっている場合もあります。
例えば旧車検証で最大積載量9,000kgだったとしても、中古新規検査後に必ず同じ9,000kgになるとは限りません。
抹消車を購入する場合は、旧車検証の積載量だけでなく、新規登録後にどの程度の最大積載量が見込めるのかを販売店へ確認してください。
⑨ 古い大型ダンプは排出ガス規制も確認する
年式の古い大型ダンプは購入価格を抑えられる場合がありますが、使用する地域によっては排出ガス規制にも注意が必要です。
自動車NOx・PM法では、対策地域内に使用の本拠を置くトラックなどについて車種規制があります。
また、東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県などでは、国の制度とは別にディーゼル車に対する条例上の運行規制があります。
そのため古年式の大型ダンプを購入する場合は、車検証の型式・初度登録年月などを確認し、使用予定地域で登録・運行できるかを販売店へ確認することが重要です。
中古大型ダンプの現車確認|車両本体のチェック
大型ダンプは高額な車両です。購入後の修理リスクを抑えるためにも、可能であれば現車確認をおすすめします。
車両本体で確認したいポイント
- エンジン始動時の異音・振動
- 白煙・黒煙など排気の状態
- エンジンオイル・冷却水などの漏れ
- ミッション・クラッチの状態
- ブレーキの状態
- タイヤの残量・偏摩耗
- フレームの腐食・亀裂・補修跡
- サスペンション・足回りの状態
- デフ・駆動系からの異音や漏れ
- DPF・尿素SCRなど排気後処理装置の状態
- メーター内の警告灯
- 整備記録簿・点検履歴
- 修復歴・事故歴の確認
走行距離だけで車両の良し悪しを判断せず、これまでどのように使用され、どの程度整備されてきたかを確認することが重要です。
ダンプ架装・油圧装置のチェックポイント
中古大型ダンプでは、エンジンやミッションなどの車両本体だけでなく、ダンプの上物・油圧装置を確認することが非常に重要です。
大型ダンプの上物チェックポイント
- 荷台床の摩耗・へこみ・亀裂
- アオリの変形・腐食・補修跡
- リヤゲートの開閉・ロック
- ヒンジ・ピン部分の摩耗
- サブフレームの亀裂・変形
- ホイストの作動状態
- 油圧シリンダーのオイル漏れ
- 油圧ホースのひび割れ・にじみ
- 油圧ポンプの異音
- PTOの入り・切り
- 荷台上昇時の動き・左右の偏り
- ダンプ操作レバー・スイッチ
- 電動シート・飛散防止装置の作動
- 安全装置の状態
現車確認では、可能であれば荷台を実際に上げ下げし、途中で引っ掛かりがないか、異音や油漏れがないかまで確認しましょう。
油圧シリンダーの油漏れ、ホイストの不具合、サブフレームの亀裂や大きな変形などを見落とすと、購入後に高額な修理が必要になる可能性があります。
車両本体のエンジンやミッションの状態が良くても、ダンプ架装側に大きな不具合があれば修理費が発生するため、車両と上物を分けずに確認することが重要です。
さらに、極東開発工業、新明和工業、小平産業などの上物メーカー、上物型式、製造年が分かれば、将来の部品供給や修理について販売店へ確認しやすくなります。
大型ダンプに必要な免許・登録・土砂運搬のルール
大型ダンプの運転には大型免許を確認
一般的な大型ダンプは、大型免許が必要となる車両が中心です。
ただし、免許区分は「10tダンプ」という呼び方ではなく、実際の車検証に記載された車両総重量・最大積載量等で確認してください。
ダンプ規制法の「大型自動車」は免許区分と同じ意味ではない
土砂等を運搬するダンプには、「土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法」、いわゆるダンプ規制法があります。
ここでいう「大型自動車」は、運転免許上の大型自動車と完全に同じ意味ではありません。
ダンプ規制法施行規則では、同法上の「大型自動車」について、道路交通法第3条に規定する大型自動車と、中型自動車のうち車両総重量8,000kg以上かつ最大積載量5,000kg以上のものを対象とする旨が定められています。
そのため、ダンプ規制法の対象かどうかを、運転免許上の「大型自動車」に該当するかどうかだけで判断しないことが重要です。
該当する土砂等運搬大型自動車を使用する場合は、使用の本拠を管轄する運輸支局等への届出や表示番号の指定など、必要な手続きを確認してください。
法令上の「土砂等」は土や砂だけではない
ダンプ規制法でいう「土砂等」には、土、砂利(砂・玉石を含む)、砕石だけでなく、次のような物も含まれます。
- 砂利または砕石をアスファルト・セメントで安定処理した物
- アスファルト・コンクリート
- 鉱さい、廃鉱、石炭がら
- コンクリート、れんが、モルタル、しっくいなどのくず
- 砂利状または砕石状の石灰石、けい砂
そのため、「廃棄物だから土砂等には当たらない」と単純に判断することはできません。
土砂禁ダンプを使用する際は、実際に運搬する物が法令上の「土砂等」に該当しないかを確認してください。
表示番号(ダンプゼッケン)も確認
対象となる土砂等運搬大型自動車では、表示番号、いわゆる「ダンプゼッケン」を表示します。
表示番号は荷台の両側面および後面に表示し、白地に黒文字、左横書きとするなど表示方法が定められています。
文字の高さは200mmなど寸法にも規定があります。
中古車を購入して土砂等の運搬に使用する場合は、現在の表示番号の状況だけでなく、名義変更や登録に伴って必要となる手続きも確認してください。
土砂等運搬大型自動車では自重計も確認
ダンプ規制法の対象となる土砂等運搬大型自動車には、技術基準に適合する積載重量の自重計を取り付ける必要があります。
中古車を購入する際は、自重計の有無だけでなく、使用予定の車両が制度の対象となるか、現在の装置が適切に使用できる状態かについても販売店や関係機関へ確認してください。
過積載はしない
大型ダンプは荷台に積載余地があるように見えても、最大積載量を超えて積載することはできません。
特に土砂など重量のある積載物では、見た目だけでは積載重量を判断しにくいため注意が必要です。
大型ダンプの代表的な車種
大型ダンプでは、国内大型トラックをベースにダンプ架装を行った車両が多く流通しています。
同じ車名でも、シャシ、軸数、1デフ・2デフ、最大積載量、荷台メーカー、荷台寸法などは異なります。
車名だけで選ばず、1台ごとの仕様を確認することが重要です。
購入・レンタル・短期リースの選び方
大型ダンプを日常的に長期間使用する場合は購入が基本的な選択肢になりますが、使用期間や稼働頻度によってはレンタル・短期リースも検討できます。
- 特定の工事期間だけ大型ダンプが必要
- 繁忙期だけ増車したい
- 自社車両の修理期間中だけ代替車が必要
- 購入前に一定期間使用してみたい
商用車レンタル・短期リース検索サイト「トラカリ」でも、大型ダンプを検索できます。
掲載地域・車両数・貸出期間は変動するため、利用予定時点で確認してください。
中古大型ダンプは「どこから買うか」も重要
中古大型ダンプは、年式や走行距離、価格だけを比較して選べる車両ではありません。
土砂・土砂禁、20t・22t・25t、1デフ・2デフ、上物メーカー、油圧装置、荷台の状態、自重計、追加架装、さらに抹消車の新規登録後の最大積載量など、確認すべき項目が数多くあります。
そのため、単に価格が安いかどうかだけでなく、車両本体・架装・登録・実際の使用方法まで理解して説明できる中古トラック販売店から購入することが重要です。
販売店に確認しておきたいポイント
- 実際に何を積むためのダンプなのか
- 土砂運搬が可能か、土砂禁なのか
- 最大積載量とGVW
- 1デフ・2デフなどの駆動方式
- 荷台内寸・容積
- 上物メーカー・型式
- 荷台・サブフレーム・油圧機構の状態
- 電動シート・自重計などの装備
- 車検・登録上の確認事項
- 抹消車の場合、新規登録後に見込まれる最大積載量
- 使用地域の排出ガス規制
- ローン・リースなど、自社の支払計画に合った購入方法を相談できるか
1,000万円を超える車両も多い大型ダンプでは、車両価格だけでなく、購入時の支払方法も重要です。
現金一括だけでなく、ローン・リースなども含め、自社の資金計画や保有予定期間に合った購入方法を販売店へ相談するとよいでしょう。
トラック市では、各車両の詳細ページに「ファイナンス問合せ」ボタンを設置しています。 気になる大型ダンプが見つかった場合は、その車両ページからファイナンスについて問い合わせることも可能です。
特に中古大型ダンプでは、車両本体だけでなく「架装」「登録」「実際の使い方」まで理解している販売店かどうかが大切です。
トラック市は全国の商用車販売店が加盟するネットワークです。
大型ダンプを探す際も、価格や年式だけで判断せず、使用する現場、積載物、必要な積載量、購入方法などを販売店へ相談しながら比較してください。
大型ダンプの中古購入に関するよくあるQ&A
Q. 大型ダンプと10tダンプは同じ?
「10tダンプ」は大型ダンプを指す一般的な呼び方として使われますが、すべての大型ダンプの最大積載量が10,000kgという意味ではありません。実際の最大積載量は車検証で確認してください。
Q. 20t・22t・25tは何が違う?
主に車両総重量(GVW)の違いです。最大積載量そのものを表しているわけではありません。22t・25t車では軸距や車両長、走行する道路条件も確認してください。
Q. 中古大型ダンプの価格はいくら?
トラック市の過去1年間の掲載・登録データ延べ508件では、掲載価格の平均が約1,280万円、中央値が約1,170万円でした。実際の成約価格は、年式・走行距離・GVW・仕様・架装・車両状態などによって異なります。
Q. 土砂ダンプと土砂禁ダンプの違いは?
土砂ダンプは土・砂利・砕石などの運搬に使用されます。一方、土砂禁仕様では法令上の「土砂等」を積載できません。購入時は車検証・登録内容・車両仕様を確認してください。
Q. 深ダンプには土砂を積める?
大型の深ダンプは土砂禁仕様として流通している車両が多くあります。「深ダンプ」という名称だけでは判断せず、車検証・登録内容・架装仕様を確認してください。
Q. ロングダンプとはどんなダンプ?
一般的な大型ダンプより長い荷台を備えた仕様です。土砂を運ぶ長尺土砂ダンプと、軽比重物を運ぶ長尺深あおり・土砂禁仕様の両方があります。
Q. 1デフと2デフ、どちらを選べばよい?
使用する現場や走行する道路によって選びます。2デフ(6×4)は未舗装路、ぬかるみ、勾配のある場所などで駆動力を確保しやすい一方、1デフ(6×2)は舗装路中心の運行などで積載性・経済性を重視できる場合があります。「大型ダンプなら2デフ」と一律に判断せず、現場条件から選ぶことが重要です。
Q. 自重計は必要?
ダンプ規制法の対象となる土砂等運搬大型自動車には、技術基準に適合する自重計が必要です。対象車両かどうかを含め、購入時に確認してください。
Q. 抹消されている大型ダンプは以前と同じ積載量で登録できる?
必ずしも同じになるとは限りません。新規検査時には車両の現状や許容限度、タイヤ負荷能力などから最大積載量が算定され、以前より最大積載量が少なくなる「減トン」となる場合があります。新規登録後に見込まれる積載量を販売店へ確認してください。
Q. 大型ダンプの運転には何の免許が必要?
一般的な大型ダンプは大型免許が必要となる車両が中心です。最終的には購入する車両の車両総重量・最大積載量等と、ご自身の免許条件を確認してください。
Q. 中古大型ダンプで最も確認したいところは?
車両本体だけでなく、荷台・サブフレーム・ホイスト・油圧シリンダー・PTOなどダンプ架装の状態が重要です。可能であれば実際に荷台を上げ下げして確認しましょう。
Q. 大型ダンプはレンタルできる?
レンタル・短期リースで利用できる大型ダンプもあります。掲載地域・台数・貸出期間は変動するため、利用時点で確認してください。
中古大型ダンプを探すなら「トラック市」
大型ダンプは、同じ車名・同じ年式でも、GVW、最大積載量、荷台寸法、土砂・土砂禁、強化、Lゲート、ロング、深ダンプ、1デフ・2デフなど仕様が大きく異なります。
さらに中古車では、これまでの使用用途や整備状況、架装状態、登録条件によっても違いがあります。
中古大型ダンプ選びの10のポイント
- 何を運ぶのかを決める
- 必要な最大積載量・GVWを確認する
- 土砂・土砂禁・ロングなどの仕様を確認する
- 1デフ・2デフを使用現場に合わせて選ぶ
- 荷台寸法・容積・車両全長を確認する
- 車両本体の整備状態を確認する
- 荷台・油圧・ホイストを確認する
- 自重計・電動シート・リターダ等の装備を確認する
- 抹消車は新規登録後の積載量を確認する
- 架装・登録まで説明できる販売店を選ぶ
2026年9月18日の基準日時点で、トラック市には大型ダンプが200台以上掲載されていました。
メーカー、車名、年式、走行距離、価格、積載量、地域、ダンプ仕様などから条件を絞り込み、複数の大型ダンプを比較できます。
大型ダンプの保証内容も購入前に確認
大型ダンプでは、メーカー保証が残っているか、保証継承ができるか、販売店独自の保証があるかなどを購入前に確認してください。
特にダンプの荷台・油圧装置などの架装部分は、車両本体とは保証範囲が異なる場合があります。
2026年9月18日の基準日時点でトラック市が案内している「T-PROTECT」は、軽商用車~4t車・増トン車までが対象で、大型車は対象外です。また、架装品・上物装置も保証対象外です。
そのため大型ダンプでは、個々の車両についてメーカー保証・保証継承・販売店保証の有無と、ダンプ架装を含む実際の保証範囲を確認してください。
本記事の参考データ
対象期間:2025年9月18日~2026年9月18日
対象データ:トラック市の大型ダンプ過去掲載・登録データ延べ508件
本記事の価格は過去の掲載価格に基づく参考情報であり、実際の成約価格や全国市場全体の平均価格を示すものではありません。