中古バス購入ガイド|マイクロ・中型・大型の価格相場と選び方
トラック市本部

中古バスを選ぶときは、車両価格や乗車定員に加えて、普段乗る人数、送迎ルート、荷物の量、運転者の免許を確認することが大切です。同じ29人乗りでも、補助席の数や荷物を置ける場所、乗り降りのしやすさは車両によって異なります。
この記事では、企業・施設・学校などの送迎や旅客運送で導入を検討する方に向けて、マイクロ・中型・大型の選び方と、トラック市の売約済み車両データから集計した掲載価格を紹介します。
最終更新日:2026年10月27日
マイクロ・中型・大型は、人数と用途から選ぶ
最初に決めたいのは「何人を、どのような道で、どれくらいの時間運ぶか」です。通常の乗車人数に加え、繁忙日の人数、付き添いの有無、荷物の量も整理しましょう。
| 比較する区分 | 主な候補・用途 | 購入時の確認ポイント |
|---|---|---|
| マイクロバス | コースター、ローザ、リエッセⅡ、シビリアンなど。企業・施設の送迎などで比較する候補 | 正席・補助席の内訳、通路、乗降ステップ、後席空調、荷物置場 |
| 中型バス | メルファ、ガーラ・ミオなど。マイクロより多い人数の送迎や団体移動で比較する候補 | 座席配置、全長・全幅・全高、旋回スペース、荷物収納、保有免許 |
| 大型バス | エアロエースなどの観光系、ブルーリボンやエアロスターなどの路線系 | 観光・路線の仕様差、座席と立席の内訳、トランク、乗降口、整備体制 |
ここでの区分は購入比較のための呼び方です。販売上の「中型バス」と、運転免許の「中型自動車」は同じ意味ではありません。例えば、中型バスとして販売される45人乗り車両でも、乗車定員の条件から大型免許が必要です。
同じ車名でも、年式・グレード・車体長・座席仕様が異なります。現行車のカタログを、そのまま旧年式の中古車に当てはめず、候補車の車検証と仕様資料で確認してください。
中古バスの価格相場|トラック市の売約済み車両データ
マイクロバス24件の掲載価格中央値は442.5万円
トラック市保有データのうち、売約済みと記録され、一般向け車両価格を確認できた通常の座席仕様のマイクロバス24件では、掲載車両価格の中央値は442.5万円、中央50%の価格帯は346.5万~644.5万円でした。最小~最大は220万~991万円です。
これは過去の掲載車両価格をまとめた参考値です。実際の成約価格、支払総額、全国市場の平均価格ではありません。また、現在同じ価格で購入できることを示すものでもありません。
| マイクロバスの集計項目 | 参考値 |
|---|---|
| 価格を確認できた件数 | 24件 |
| 掲載車両価格の中央値 | 442.5万円 |
| 中央50%の価格帯 | 346.5万~644.5万円 |
| 最小~最大 | 220万~991万円 |
価格には車種、年式、走行距離、4WD、エアサス、座席仕様、整備内容などの違いが含まれます。中央値だけを予算の上限とせず、用途に合う仕様に絞って比較することが重要です。
マイクロバスの年式別参考値
元データの年式 件数 掲載車両価格の中央値 2009年以前 7件 306万円 2010~2016年 7件 363万円 2017~2020年 6件 567万円 2021年以降 4件 921.5万円
| 元データの年式 | 件数 | 掲載車両価格の中央値 |
|---|---|---|
| 2009年以前 | 7件 | 306万円 |
| 2010~2016年 | 7件 | 363万円 |
| 2017~2020年 | 6件 | 567万円 |
| 2021年以降 | 4件 | 921.5万円 |
今回のデータでは新しい年式の区分ほど中央値が高くなっていますが、各区分は4~7件と少数です。2021年以降の4件には、販売時の説明に「未使用車」と記載された車両も含まれています。年式だけによる価格差や、今後の値動きを示す表ではありません。
中型・大型は、条件付きの掲載実例として見る
中型・大型は価格を確認できた件数が少なく、用途の偏りもあるため、マイクロバスと同じような相場表にはできません。以下は購入条件を考えるための個別実例です。
| 区分・車名 | 年式 | 走行距離 | 掲載車両価格 |
|---|---|---|---|
| 中型・メルファ(45人乗り) | 2022年 | 162,086km | 1,645万円 |
| 大型・ブルーリボン | 2007年 | 1,089,000km | 120万円 |
| 大型・エアロスター | 2007年 | 556,000km | 131万円 |
| 大型・ブルーリボン | 2008年 | 824,000km | 131万円 |
| 大型・エアロエース(58人乗り) | 2011年 | 734,046km | 468万円 |
大型の4件は2007~2011年式で、うち3件が路線系の車種です。これらを根拠に「大型バスの方がマイクロバスより安い」「大型バスは120万円から購入できる」と一般化することはできません。観光系と路線系では座席配置や荷物収納などが異なり、整備・補修に必要な費用も個別に確認する必要があります。
集計対象と価格の扱い
提供データ152件の記録日範囲は2025年10月1日~2026年10月23日です。このうち更新内容が「売約済」の42件を対象とし、「削除」の110件は売約と断定せず除外しました。売約済み42件の内訳は次のとおりです。
| 集計区分 | 売約済み件数 | 一般向け車両価格を確認できた件数 |
|---|---|---|
| 通常の座席仕様のマイクロバス | 31件 | 24件 |
| 中型バス | 2件 | 1件 |
| 大型バス | 4件 | 4件 |
| 幼児仕様 | 2件 | 2件 |
| 小型路線系・ポンチョ | 2件 | 0件 |
| 10人乗りハイエース | 1件 | 1件 |
| 合計 | 42件 | 32件 |
マイクロバスはコースター、ローザ、シビリアン、リエッセⅡ、ジャーニーを車名・仕様説明から分類し、幼児仕様を別集計にしました。元データのサイズ欄にはマイクロバスが「中型」「その他」などに分かれているため、その欄だけでは分類していません。ポンチョと10人乗りハイエースも、通常のマイクロバスの価格集計には含めていません。
一般向け車両価格がASK・未入力の車両は価格計算から除外しています。車台番号による同一車両の照合はできないため、件数は管理番号単位です。中央50%は価格を小さい順に並べた第1四分位~第3四分位で、線形補間方式(PERCENTILE.INC相当)により算出しました。
出典:トラック市保有「売買実績 バス.csv」(2026年10月27日集計)。元データから税の扱いを確定できないため、集計値には税込・税抜の表示を付けていません。現在の見積もりでは税・諸費用・納車前整備を含めた支払総額を確認してください。
定員だけでなく、正席・荷物・乗降性を確認する
「29人乗り」と「29人が正席に座れる」は別
乗車定員には運転者も含まれます。また、表示人数に補助席が含まれる仕様もあります。普段使う正席数、補助席数、付き添いの席、シートベルトの状態を確認しましょう。
長時間の移動を想定するなら、足元の広さやリクライニング、空調の効き方も重要です。定員まで乗車したときに荷物をどこへ置くかも検討し、通路や乗降口を荷物でふさがない配置にします。
送迎先までの道と駐車場所を照合する
全長・全幅だけでなく、全高、ミラーを含めた取り回し、旋回する場所、駐車場の入口、屋根の高さを確認します。毎日使う施設の入口や転回場所の写真を販売店へ渡すと、候補車との比較がしやすくなります。
高齢者などの送迎では、ステップの高さ、手すり、ドア開口、通路の幅、乗降を介助するスペースを実車で確かめてください。車いす対応車はリフトやスロープの有無だけでなく、対応寸法、固定装置、乗車時の座席配置も確認します。
幼児仕様の車両は、大人用の座席配置とは異なります。安価だからという理由で一般送迎用に選ばず、用途変更に必要な改造・登録・装備を販売店に確認し、費用と納期まで見積もりに含めましょう。
バスの運転に必要な免許・運行条件
マイクロバスでも普通免許では運転できない場合がある
運転できる車両は、乗車定員だけでなく車両総重量・最大積載量などで判断します。乗車定員11~29人で大型自動車の重量基準に該当しない車両は、原則として8t限定のない中型免許以上が必要です。乗車定員30人以上、または車両総重量11t以上など大型自動車の基準に該当する場合は大型免許が必要です。
普通免許・準中型免許・8t限定中型免許では、乗車定員11人以上のバスを運転できません。29人乗りの車両に実際は10人しか乗せない場合でも、免許の判断が普通免許に変わるわけではありません。AT限定などの免許条件も確認してください。
第一種・第二種免許と、運送事業の手続きは分けて確認する
旅客運送事業のために旅客を運ぶ運転では、車両に対応した第二種免許が必要です。一方、自社の無償送迎などでは第一種免許で運転できる場合がありますが、運送の形態に応じて判断する必要があります。
「送迎無料」という表示だけで、許可・登録が不要と決めつけないことも大切です。料金の受け取り方や他のサービスとの関係を整理し、必要な許可・登録は管轄の運輸支局へ、免許条件は運転免許窓口へ確認してください。
参考:大阪府警察「免許の種類と運転できる自動車など」/国土交通省「自家用有償旅客運送に関係する通達について」
現車確認で見ておきたい6項目

1.座席・シートベルト・床
運転席だけでなく、後席の座面、背もたれ、リクライニング、シートベルト、補助席の固定を確認します。床の沈み、傷み、雨漏りを疑う跡、室内のにおいも確認し、必要な清掃や補修を見積もりに含めましょう。
2.ドア・ステップ・乗降補助装置
自動ドアの開閉、ステップの出入り、手すりの固定、挟み込み防止などの装置を、搭載仕様に応じて販売店に確認してもらいます。車いすリフトなどがある場合は、作動と点検記録も確認します。
3.冷暖房・換気
前席だけでなく、客室後方まで冷暖房が効くかを確認します。吹出口、風量、異音、におい、冷媒漏れの点検履歴を確認し、空調の修理が必要な場合は費用と部品の納期も聞いておきましょう。
4.エンジン・変速機・排出ガス処理装置
始動状態、異音、油漏れ、警告灯、変速時の違和感を確認します。ディーゼル車は搭載されている排出ガス処理装置の整備履歴も確認してください。装置の種類は年式・型式で異なるため、すべての車両に同じ装備があるとは判断しません。
5.下回り・足回り・タイヤ
フレームや車体下部の腐食、ブレーキ、タイヤの傷み、サスペンションを確認します。エアサス車はエア漏れや車高保持の状態も点検対象です。走行距離だけで状態を決めず、過去の使われ方と交換部品の記録を合わせて見ます。
6.整備記録・安全装備・部品供給
点検整備記録簿、修理履歴、取扱説明書、リコール対応の状況を確認します。安全装備は車両ごとに異なるため、装備の有無と作動状態を確認してください。旧年式車は、ガラス・ドア部品・空調部品などの供給や、購入後に整備を依頼できる工場も確認しておくと導入計画を立てやすくなります。
試乗や装置の作動確認は販売店と相談し、有資格者が安全な条件で行います。確認済みの箇所と未確認の箇所を分けて、納車前の整備内容を書面に残しましょう。
購入予算は支払総額と維持費で比較する
本体価格が安くても、空調修理、タイヤ交換、座席補修、塗装・社名消しなどが必要になることがあります。見積もりでは車両代、税・諸費用、車検・登録、整備、陸送、希望装備の追加を分けて確認します。
購入後の燃料費、保険、駐車場、定期整備に加え、修理中の代替輸送も検討してください。毎日運行する送迎車では、故障時に何日止められるか、代車やレンタルで対応できるかも選定条件になります。
販売店には、用途、普段と最大の乗車人数、運転者の免許、走行ルート、荷物、必須装備、総予算、使用開始日を伝えると、候補を絞りやすくなります。
中古バスの購入でよくある質問
Q1.中古マイクロバスはいくらが目安ですか?
今回の通常座席仕様24件では、過去の掲載車両価格の中央値は442.5万円、中央50%は346.5万~644.5万円でした。成約価格や支払総額ではないため、必要な仕様と整備条件をそろえて現在の見積もりを比較してください。
Q2.中型免許があれば中型バスを運転できますか?
販売上の車格名だけでは判断できません。例えば45人乗りは乗車定員の条件から大型免許が必要です。また8t限定中型免許では11人以上のバスを運転できません。車検証と免許の条件を照合してください。
Q3.走行距離が多い中古バスは避けるべきですか?
距離だけでは判断できません。整備記録、エンジン・変速機・足回り・空調の状態、交換履歴、今後の部品供給を確認します。必要な整備費と運行停止のリスクを含めて比較しましょう。
Q4.大型バスの方が安いことはありますか?
個別の掲載例ではあります。ただし今回の低価格の大型車は旧年式の路線系車種であり、マイクロバスと同じ条件ではありません。座席や収納、整備費、駐車場所、免許などを含めて判断してください。
Q5.幼児バスを大人の送迎に使えますか?
幼児用座席のまま一般の大人用送迎車として使えるとは限りません。座席やシートベルト、乗車定員、登録の変更が必要かを確認し、改造費・納期を含めて比較します。
用途に合った中古バスを探す
中古バス選びは、乗車人数と座席配置を決め、ルート・免許・装備を照合したうえで、車両状態と支払総額を比較するのが基本です。過去の掲載価格は予算の参考にしながら、毎日の運行に必要な条件を満たす一台を探しましょう。
参考資料:日野リエッセⅡ ラインアップ/日野メルファ