【制度・法改正】改正物流効率化法が11月1日施行へ|トラックの「中継輸送」認定制度と事業者への影響

㈱トラック市

国土交通省は2026年10月16日、「物資の流通の効率化に関する法律の一部を改正する法律」の施行期日を2026年11月1日とする政令を閣議決定したと発表しました。

今回の改正は、長距離輸送を複数のドライバーで分担する「中継輸送」を推進し、トラックドライバーの負担軽減と物流輸送力の維持を図ることが主な目的です。

改正法は2026年5月20日に公布されており、今回、2026年11月1日から施行されることが正式に決まりました。

■ 「中継輸送」とは

中継輸送とは、一人のドライバーが長距離を通して運転するのではなく、途中の中継拠点でドライバーを交代したり、別のトラックへ貨物を引き継いだりすることで、一つの長距離輸送を複数のドライバーや運送事業者で分担する仕組みです。

トラックドライバーの高齢化や人手不足が進む中、2024年4月からドライバーの時間外労働に上限規制が適用されたこともあり、長距離輸送のあり方を見直す必要性が高まっています。

国土交通省では、ドライバー一人あたりの長距離運転を減らしながら、必要な物流を維持する手段の一つとして中継輸送を推進しています。

■ 11月1日から「貨物自動車中継輸送実施計画」の認定制度を創設

今回の改正では、中継輸送を実施しようとする複数の事業者が共同で、

「貨物自動車中継輸送実施計画」

を作成し、国土交通大臣の認定を受けることができる制度が創設されます。

認定にあたっては、

・計画内容が国の基本方針に適合しているか

・中継輸送に使用する施設が国土交通省令で定める基準に適合しているか

などが確認されます。

2026年10月16日にあわせて閣議決定された政令では、この認定等に関する国土交通大臣の権限の一部を、中継輸送事業の実施区域を管轄する地方運輸局長へ委任することも定められました。

■ 認定を受けると許認可手続きの特例も

認定された貨物自動車中継輸送実施計画には、事業を進めやすくするための支援措置が設けられます。

具体的には、認定計画に基づく事業について、

・貨物自動車運送事業法

・自動車ターミナル法

・倉庫業法

に基づく一定の許可等について、認定による特例措置が設けられます。

また、中継輸送事業に必要となる施設整備についても支援措置が設けられます。

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)が、認定された中継輸送事業の実施に必要な資金について、出資や貸付け等を行う制度も盛り込まれています。

さらに、中継輸送施設の整備に関して都市計画法などによる許可等が必要となる場合には、国や都道府県が施設整備を円滑に進められるよう配慮することも規定されています。

■ 中継輸送施設にも一定の要件

改正法では、中継輸送に使用する「特定貨物自動車中継輸送施設」についても定義されています。

単にトラックを乗り換える駐車場というだけではなく、

・複数のトラックが駐車・停留できる

・貨物を一時的に保管できる

・高速道路など物流の結節機能を持つ道路の近くに立地している

・ドライバーが疲労回復できる待機所等がある

・荷役車両の出入りを円滑に管理する設備がある

・貨物の搬入、搬出、仕分け等を効率化する情報処理システム等を備える

などの機能を持つ施設が想定されています。

今後、中継輸送の普及とともに、こうした物流拠点の整備も進められていく可能性があります。

■ すべての運送会社に中継輸送が義務付けられるわけではありません

今回の改正について注意したいのは、すべてのトラック運送会社に対して、

「中継輸送を必ず実施しなければならない」

「中継輸送実施計画の認定を必ず受けなければならない」

という制度ではないことです。

貨物自動車中継輸送実施計画は、中継輸送を行おうとする事業者が共同で作成し、認定を受けることができる制度です。

一方で、改正法では、一般貨物自動車運送事業者などについて、相互に連携・協働し、中継輸送の実施に努めることが規定されています。

また、荷主や倉庫業者などにも、業務に支障のない範囲で中継輸送の円滑な実施に協力するよう努めることが求められます。

■ 2026年4月施行の物流効率化法との違い

物流効率化法については、2026年4月から一定規模以上の荷主・物流事業者が「特定事業者」として指定され、中長期計画の作成や定期報告などが義務付けられています。

今回2026年11月1日に施行される改正は、この制度とは別に、

「中継輸送の推進」

「中継輸送実施計画の認定」

「中継輸送施設の整備促進」

などを新たに制度化するものです。

そのため、2026年4月施行の「特定事業者」の対応と、今回の中継輸送制度は分けて確認する必要があります。

■ 中古トラックの購入・販売への直接的な変更はありません

今回の改正によって、中古トラックの車検制度や登録制度、車両そのものの基準が変更されるわけではありません。

また、現在保有しているトラックに新しい装置を追加しなければならないといった内容も、今回の発表には含まれていません。

そのため、中古トラックの購入・販売に直ちに大きな変更が生じる制度ではありません。

一方で、中継輸送が今後普及すれば、

・長距離輸送に使用する車両の運用方法

・営業所や中継拠点ごとの車両配置

・トラクタ・トレーラーの活用

・車両の稼働率や必要台数

などが変化する可能性があります。

こうした変化が中古トラックの需要や流通にどの程度影響するかについては、現時点ではまだ判断できません。

今後の中継輸送の普及状況や認定事業者、施設整備の動向を確認していく必要があります。

■ 運送事業者が今後確認したいポイント

長距離輸送を行っている運送事業者や、中継輸送の導入を検討している事業者は、

・自社の長距離輸送を中継輸送へ切り替えられるか

・他の運送事業者と共同運行できるルートがあるか

・利用できる中継輸送施設があるか

・貨物自動車中継輸送実施計画の認定制度を活用できるか

・施設整備に関する支援制度を活用できるか

などを確認しておくことが重要です。

特に複数の運送会社が共同で長距離輸送を行う場合には、運行ルートやドライバー交代、貨物の受け渡し方法などを含めた運用設計が必要になります。

■ 施行日は2026年11月1日

今回の政令のスケジュールは次のとおりです。

政令公布予定:2026年10月21日

改正法施行:2026年11月1日

中継輸送を検討している運送事業者や物流関係事業者は、国土交通省から今後公表される基本方針や具体的な認定手続き、施設基準などの最新情報を確認してください。

トラック市でも、認定制度の詳細や実際の中継輸送施設、トラック運用への影響などについて新しい情報が公表された場合は、引き続きお知らせします。

出典:国土交通省
「物資の流通の効率化に関する法律の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」を閣議決定
発表日:2026年10月16日

https://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu03_hh_000023.html

出典:国土交通省
「物資の流通の効率化に関する法律施行令及び独立行政法人中小企業基盤整備機構法施行令の一部を改正する政令」を閣議決定
発表日:2026年10月16日

https://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu03_hh_000024.html

参考:国土交通省
「物資の流通の効率化に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議決定
発表日:2026年3月6日

https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha04_hh_000351.html

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