【制度・法改正】物流効率化法、保有車両150台以上の運送会社に中長期計画・定期報告|2026年の対応を解説
㈱トラック市
2026年4月から、改正物流効率化法に基づき、一定規模以上の荷主・物流事業者に対する新たな義務がスタートしています。
貨物自動車運送事業者等については、前年度の保有車両台数が150台以上の場合、
「特定貨物自動車運送事業者等」として指定され、中長期計画の作成・提出や定期報告などが求められます。
国土交通省は2026年9月16日、特定貨物自動車運送事業者を対象とした説明会を開催予定です。
対象となる運送会社にとって、今後の物流効率化への取り組みを具体化する重要な制度となります。
▶どの運送会社が対象になる?
貨物自動車運送事業者等については、
前年度末において保有する事業用自動車の台数が150台以上
であることが、特定貨物自動車運送事業者等の指定基準となっています。
なお、150台の算定には被けん引車(トレーラーのシャーシ)も含まれます。
例えば、トラクタヘッドだけではなく保有するシャーシも台数として算入されるため、
トレーラー輸送を行う事業者は特に注意が必要です。
ここでいう「貨物自動車運送事業者等」には、
「貨物自動車運送事業者」のほか、「特定第二種貨物利用運送事業者」も含まれます。
対象となる事業者は、原則として国への届出を行い、特定事業者として指定を受けることになります。
▶150台以上の運送会社は何をする必要がある?
主な対応は次の3つです。
1.特定事業者としての届出・指定
前年度の保有車両台数が150台以上となった事業者は、原則として国土交通省へ届出を行います。
手続きは原則オンラインで行われ、e-Gov電子申請を利用します。申請にはGビズIDが必要です。
2.中長期計画を作成・提出
特定貨物自動車運送事業者等は、物流効率化に向けた中長期計画を作成します。
2026年度については、国交省資料で2026年10月末が提出期限とされています。
通常は毎年7月末が基本ですが、計画内容に変更がなければ5年ごとの提出が可能とされています。
計画では、例えば、
・積載効率の向上
・輸送網の集約
・共同配送
・帰り荷の確保
・配車・運行計画の最適化
・輸送量に応じた大型車両の導入
など、今後どのように物流効率を高めていくかを具体化していくことになります。
3.毎年度、取り組み状況を定期報告
指定を受けた事業者は、翌年度以降、物流効率化への取り組み状況について毎年度報告する必要があります。
特定貨物自動車運送事業者等の初回定期報告は2027年7月末とされています。
定期報告では、判断基準への対応状況や、物流効率化に向けた取り組み状況などを報告します。
▶物流効率化法で運送会社は何を求められる?
物流効率化法では、単に書類を提出するだけではなく、実際の物流効率を高める取り組みが求められています。
国交省が示している具体例には、
・複数荷主の貨物の積み合わせ
・共同配送
・帰り荷の確保による実車率向上
・配車システム等による運行計画の最適化
・輸送量に応じた大型車両の導入
・物流データの活用・標準化
などがあります。
また、テールゲートリフターの導入などによる、ドライバーの荷役負担軽減についても、取り組みにあたっての配慮事項として示されています。
▶トラック市から見た「車両運用」への影響
今回の物流効率化法は、「150台以上なら新しいトラックを購入しなければならない」という制度ではありません。
一方で、今後は各運送会社が、
どのような車両構成なら、より少ない運行で効率よく貨物を運べるのか
をこれまで以上に考える必要が出てきます。
例えば、
・4t車から増トン車・大型車への見直し
・積載量や容積に合った車型への入れ替え
・ウイング、バン、冷凍冷蔵車など用途に合った上物の選定
・テールゲートリフター付き車両による荷役負担の軽減
・繁忙期のみ増車するレンタル・短期リースの活用
・稼働率の低い車両を含めた保有台数の見直し
なども、物流効率化を考える際の実務上の選択肢になります。
特に国交省の判断基準では、輸送量に応じた大型車両の導入によって、
一度に運べる貨物量を増やすことも具体的な取り組み例として挙げられています。
※上記は物流効率化法によって個別の車両購入や大型化が義務付けられるという意味ではなく、
国交省が示す判断基準を踏まえた、トラック市としての実務上の考え方です。
【まず確認しておきたい4つのポイント!】
保有車両が150台以上、または150台前後の運送会社は、まず以下を確認しておくとよいでしょう。
■自社が特定貨物自動車運送事業者等に該当・指定されているか
■2026年10月末提出の中長期計画への対応状況
■積載率・実車率・配車など、現状の車両運用を把握できているか
■車両大型化・車型変更・保有台数見直しなど、今後の車両計画に改善余地がないか
物流効率化法への対応は、単なる書類作成ではなく、今後の車両構成や運行方法を見直すきっかけにもなります。
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【出典】
国土交通省
「物流効率化法について(荷主・物流事業者の皆様へ)」
https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/seisakutokatsu_freight_mn1_000034.html
国土交通省
「物流効率化法」理解促進ポータルサイト
「すべての貨物自動車運送事業者等の対応」
https://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/lorry/
国土交通省
「貨物自動車運送事業者等の判断基準等」
https://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/lorry/judgment-criteria
国土交通省
「特定貨物自動車運送事業者等の物流効率化法への対応の手引き」
https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/content/001984873.pdf
国土交通省
「9月16日開催 物流効率化法に関する特定貨物自動車運送事業者を対象とした説明会について」
https://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/information/details/16.html