【業界NEWS】10・11月は「トラック・物流Gメン」集中監視月間|荷主・元請への監視を強化

㈱トラック市

国土交通省は、2026年10月・11月を荷主および元請事業者に対する
「集中監視月間」と位置付け、「トラック・物流Gメン」による監視と是正指導を強化します。

今回の集中監視では、全トラック事業者・倉庫業者への実態調査や関係省庁から寄せられる情報などを活用し、
適正な取引を阻害するおそれのある行為を行う荷主・元請事業者への対応を強化します。

また、公正取引委員会や中小企業庁に加え、違法な「白トラ」への運送委託防止については警察とも連携します。

運送会社にとっては、運賃だけでなく、荷待ち時間、契約外の附帯業務、無理な運送依頼など、
日常の取引条件を改めて確認しておきたい2か月となります。


▶「トラック・物流Gメン」とは?

トラック・物流Gメンは、トラック運送業界の取引環境改善に向け、
国土交通省が荷主や元請事業者などの取引状況を把握し、
必要に応じて是正指導を行うための体制です。

トラック事業者などからの情報収集をもとに、
違反原因行為の疑いがある荷主や元請事業者に対して、

・働きかけ
・要請
・勧告

などを行います。

今回の集中監視月間では、これまで以上に関係機関との連携を強化して監視・指導を行う方針です。


▶どのような行為が監視対象になる?

国土交通省が「違反原因行為」として挙げている主な行為は次のとおりです。

・長時間の荷待ち
・契約にない附帯業務
・運賃・料金の不当な据置き
・過積載運送の指示・容認
・異常気象時の運送依頼
・無理な運送依頼

トラック運送では、単に「運賃が適正か」という問題だけではありません。

例えば、荷役作業や検品など契約に含まれていない作業をドライバーに求めるケースや、
荷積み・荷降ろしのために長時間待機させるケースも確認対象となります。


▶取適法に基づく取引についても連携を強化

2026年1月から「中小受託取引適正化法(取適法)」が施行されています。
今回の集中監視では、国土交通省だけでなく、公正取引委員会や中小企業庁との連携も強化します。

取適法では、対象となる取引について、

・支払遅延
・代金の減額
・買いたたき
・報復措置
・協議に応じない一方的な価格決定

などが禁止行為として定められています。

特にトラック運送では、発荷主から運送事業者への運送委託も取適法の対象となる場合があるため、
荷主・運送会社双方にとって取引条件の明確化がこれまで以上に重要になっています。


▶違法な「白トラ」への運送委託も重点確認

今回の集中監視月間では、違法な「白トラ」への有償運送委託についても対応が強化されます。

国土交通省は各都道府県警察と連携し、物流センターや卸売市場などで、
違法な白トラへの運送委託を防止するための周知・啓発を実施します。

また、違法な白トラへの運送委託に関与している疑いが認められた荷主などに対しては、
トラック法に基づき要請または勧告を行うとしています。

荷主側にとっても、「依頼先が正規の許可を持つ運送事業者か」を確認することが重要になります。


▶10月上旬から合同荷主パトロールも実施

集中監視月間の開始に合わせ、10月上旬には、

・地方運輸局
・公正取引委員会地方事務所等
・地方経済産業局等

による「物流分野取引適正化地方ブロック連絡会議」が開催されます。

取適法違反の疑いがある事案について、調査方法や執行方針などを共有します。

さらに関係機関が連携し、
荷主の営業所や物流拠点などを対象とした合同荷主パトロールも実施される予定です。


▶運送会社が今、確認しておきたいこと

今回の集中監視月間をきっかけに、運送会社では日常の取引について次のような点を一度整理しておくことをおすすめします。

・荷待ち時間が長時間化していないか
・契約外の荷役作業や附帯業務を求められていないか
・燃料費や人件費などの上昇について運賃交渉ができているか
・運賃や料金が長期間据え置かれていないか
・無理な納期や運行を求められていないか
・過積載につながる依頼を受けていないか
・契約内容や料金体系が明確になっているか

日々の取引では「以前からこのやり方だから」と慣習化しているケースもあります。

しかし、ドライバーの労働時間や安全運行、物流コストの適正化を考えるうえでは、
荷主と運送会社の役割や負担を明確にしていくことが重要です。


▶10月16日に国交省・公取委による特別説明会

集中監視月間に合わせ、国土交通省は2026年10月16日(金)14時から、
「第39回トラック物流問題解決に向けたオンライン説明会」を開催します。

今回は通常のオンライン配信に加え、東京都内の会場参加を組み合わせたハイブリッド形式です。

予定されている内容は、

・国土交通省幹部による基調講演
・公正取引委員会幹部による基調講演
・「取引適正化の実効性向上に向けて」をテーマとした特別対談
・法制度に関する質疑応答

などです。

オンライン参加は申込不要とされています。

荷主との取引条件や取適法への対応を確認したい運送事業者にとって、
最新の考え方を直接確認できる機会となります。


▶トラック市から見た今回のポイント

今回の集中監視月間は、単なる取り締まり強化として見るだけではなく、
運送会社が「1台のトラックをどれだけ効率よく、安全に稼働させられるか」という観点でも重要です。

例えば、長時間の荷待ちが常態化すれば、車両が稼働できる時間が減少します。

契約にない荷役作業が増えれば、ドライバーの拘束時間や負担も増えます。

運賃が適正に見直されなければ、車両更新、安全装備、整備、
人材確保などに必要な原資にも影響します。

車両を増やすことだけが物流効率化ではありません。

現在保有している車両を、

「どれだけ実際の輸送に使えているか」
「荷待ちや附帯作業で止まっている時間はどのくらいか」
「適正な運賃・料金を確保できているか」

まで確認することが、今後ますます重要になります。

2026年4月から本格化している物流効率化法への対応とあわせ、
車両・人員・荷役・取引条件を一体で見直していくことが求められます。


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【出典】
国土交通省
「荷主等に対する集中監視月間を設け、『トラック・物流Gメン』が重点的に監視を強化します」
2026年9月28日発表
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha04_hh_000367.html

公正取引委員会
「中小受託取引適正化法(取適法)」
https://www.jftc.go.jp/toriteki/