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トラック市本部


「2tトラックなら普通免許で運転できると思っていた」「増トントラックに乗るにはどの免許が必要なのか分からない」――トラックを所有する企業や運転手の方からよく聞かれる疑問です。自動車免許の制度は過去の法改正によって細分化されており、自分の免許でどのトラックを運転できるかを正しく把握していないと、悪気はなくても「無免許運転」という重大な違反に繋がる恐れがあります。この記事では、最大積載量と車両総重量の違いや、普通・準中型・中型・大型免許それぞれの運転可能範囲、免許区分オーバーによる罰則についてわかりやすく解説します。


   

目次

    ■ 「最大積載量」と「車両総重量(GVW)」を理解しよう

    最大積載量とは

    車両総重量(GVW)の計算メカニズム

    

    ■ 2tトラックでも普通免許で乗れないケースがある?!

    「2tトラック」はあくまで呼称である理由

    パワーゲート・クレーン等による車両総重量の増加

    冷凍・冷蔵車やロングボディで重量がオーバーするケース

    

    ■ 免許証の条件欄を確認しよう

    「免許の条件等」記載内容の見方

    AT限定免許を保有している場合の注意点

    

    ■ 各自動車免許で乗れるトラックの範囲と条件

    普通免許(取得時期別の運転条件)

    準中型免許で運転できる範囲

    中型免許で運転できる範囲

    大型免許で運転できる範囲

    

    ■ 増トントラックを運転するには、どの免許が必要か?

    中型免許または大型免許が必要になる基準

    積載量6.5t以上は大型免許が必要

    

    ■ 免許区分オーバーで起こるリスクと行政処分

    無免許運転による重い刑事罰と違反点数

    事業者・運送会社へ科される行政責任




■ 「最大積載量」と「車両総重量(GVW)」を理解しよう


・ 最大積載量とは

トラックの免許区分を正しく判断するために、まずは「最大積載量」と「車両総重量(GVW)」という2つの重要ワードを理解しておく必要があります。

最大積載量: トラックの荷台部に載せることができる荷物の最大の重さのことです。トラック後方に「最大積載量〇〇〇〇㎏」といったステッカーで表示されている値が最大積載量となります。

この数値は、車両の構造やブレーキ性能、耐久性などを基準に1台ごとに厳密に定められています。


・ 車両総重量(GVW)の計算メカニズム

車両総重量(GVW): 英語の「Gross Vehicle Weight」の頭文字をとった言葉で、トラック全体の合計重量のことを指します。

計算式としては、「車両重量(トラック自体の重さ)」+「最大積載量」+「乗車定員×55㎏(1人あたりの体重計算)」の合計値となります。

運転免許の区分においては、「最大積載量」だけでなく、この「車両総重量」の基準を少しでも超えてしまうと、その免許では運転ができなくなるため注意が必要です。まずは車検証を見て、自分が運転する予定のトラックの車両総重量を必ず確認してください。




■ 2tトラックでも普通免許で乗れないケースがある?!


・ 「2tトラック」はあくまで呼称である理由

「2tトラックなのだから、普通免許で誰でも運転できるはず」と思い込んではいけません。「2tトラック」という呼び方はあくまで一般的な呼称であり、法律や免許区分上の正確な分類ではないからです。

現行の普通免許(平成29年3月12日以降に取得した免許)で運転できるのは、「車両総重量が3.5トン未満」の車両に限られます。標準的な2tトラックであっても、車両総重量が3.5トンを超えている車体が多く存在するため、確認せずに公道を走行すると無免許運転となってしまいます。


・ パワーゲート・クレーン等による車両総重量の増加

特に注意が必要なのが、荷台に作業用の架装物を取り付けたトラックです。

パワーゲート付きトラック: 荷台後方に油圧式のリフト(パワーゲート)を装備している車両は、装置そのものの重量で車両重量が数百キロ単位で重くなります。結果として車両総重量が3.5トンや5トンを超過しやすく、普通免許では運転できないケースが多くなります。

クレーン(ユニック車): 荷台の前方にクレーン装置を架装している車両も同様に非常に重いため、準中型免許や中型免許が必要となる車両が大半です。


・ 冷凍・冷蔵車やロングボディで重量がオーバーするケース

見た目のサイズが小型な2tクラスであっても、仕様の違いによって総重量は大きく跳ね上がります。

冷凍・冷蔵トラック: 断熱材が詰まった分厚いコンテナや、冷却用のコンプレッサー装置の重量が加算されるため、車両総重量が5トンを超えるモデルが標準的です。

ロング・ワイドボディ: 長尺物や大量の荷物を積むためにフレームを長く・広くした車両も、自重が増えるため普通免許の枠に収まらなくなります。レンタカーや社用車を乗る際には必ず事前に車検証を確認しましょう。




■ 免許証の条件欄を確認しよう


・ 「免許の条件等」記載内容の見方

同じ「普通自動車免許」であっても、自分が免許を取得した時期によって運転できるトラックのサイズが異なります。まずはご自身の運転免許証を正面から見て、中央少し下にある「免許の条件等」の記載欄を確認してください。

「中型車は中型車(8t)に限る」と書いてある場合: 平成19年(2007年)6月1日以前に普通免許を取得した方です。現行制度の「中型8t限定免許」扱いとなり、車両総重量8トン未満の車両まで運転できます。

「準中型車は準中型車(5t)に限る」と書いてある場合: 平成19年6月2日〜平成29年(2017年)3月11日の間に普通免許を取得した方です。車両総重量5トン未満のトラックまで運転できます。

条件の記載がない場合: 平成29年3月12日以降に普通免許を取得した方です。車両総重量3.5トン未満のトラックしか運転できません。


・ AT限定免許を保有している場合の注意点

免許の条件等に「AT車に限る」といった記載がある場合、マニュアル(MT)シフトのトラックを運転すると「免許条件違反」の対象となります。

また、AT(オートマ)のトラックであっても、車両総重量が上記の制限を超えている場合は「無免許運転」になりますので、「ATだから乗れる」と誤解しないよう注意してください。




■ 各自動車免許で乗れるトラックの範囲と条件


・ 普通免許(取得時期別の運転条件)

普通免許は過去2回の法改正により、現在までに運転可能範囲が3つに細分化されています。

① 平成19年6月1日以前に取得(中型8t限定): 「車両総重量8t未満・最大積載量5t未満・乗車定員10人以下」。一般的な4tトラックまで運転可能です。

② 平成19年6月2日〜平成29年3月11日に取得(準中型5t限定): 「車両総重量5t未満・最大積載量3t未満・乗車定員10人以下」。一般的な2tトラックを運転できます。

③ 平成29年3月12日以降に取得(現行普通免許): 「車両総重量3.5t未満・最大積載量2t未満・乗車定員10人以下」。軽トラックや小型1tトラックなどが中心となり、標準的な2t車の大半は運転できません。


・ 準中型免許で運転できる範囲

準中型免許は平成29年3月に新設された免許区分で、満18歳以上であれば普通免許の保有歴がなくても最初から取得することができます。

準中型免許で乗れる範囲: 「車両総重量3.5t以上〜7.5t未満」「最大積載量2t以上〜4.5t未満」「乗車定員10人以下」

この免許を保有していれば、エルフ・デュトロ・キャンターなどの主な2t・3tトラックのほとんどを運転することができます。運送業や建設業のドライバー業務をはじめる上で基準となる重要な免許です。


・ 中型免許で運転できる範囲

中型免許の取得には「満20歳以上」かつ「普通免許等の保有期間が通算2年以上」という受験資格が必要になります。

中型免許で乗れる範囲: 「車両総重量7.5t以上〜11t未満」「最大積載量4.5t以上〜6.5t未満」「乗車定員11人以上〜29人以下」

一般的な「4tトラック」から「マイクロバス」、および一部の「増トントラック」まで幅広い商用車を運転することが可能になります。


・ 大型免許で運転できる範囲

大型免許は自動車免許の中でも最上位の区分であり、取得には「満21歳以上」かつ「普通免許等の保有期間が通算3年以上」の条件が必要です。

大型免許で乗れる範囲: 「車両総重量11t以上」「最大積載量6.5t以上」「乗車定員30人以上」

大型トラックをはじめ、あらゆるサイズのトラック・ダンプカー・大型バスを運転することができます(※トレーラーなどを牽引する場合は別途「けん引免許」が必要です)。




■ 増トントラックを運転するには、どの免許が必要か?


・ 中型免許または大型免許が必要になる基準

「増トントラック(中型車の車体を強化して積載量を引き上げたトラック)を運転するにはどの免許が必要か?」という質問をよく耳にしますが、結論としては「中型免許」または「大型免許」が必要です。

中型免許の上限である「車両総重量11t未満」「最大積載量6.5t未満」に両方とも収まっている増トントラック(例:積載量6tクラスなど)であれば、中型免許で問題なく運転可能です。


・ 積載量6.5t以上は大型免許が必要

ここで最も注意しなければならないのが、車検証の積載量欄です。

たとえ車両総重量が11トン未満であっても、「最大積載量が6.5t以上(例:6.5t〜8t積載の増トン仕様)」のトラックは、法律上「大型自動車」の扱いに変わるため『大型免許』が必要となります。中型免許で運転すると無免許運転になってしまうため、増トン車を購入・配車する際は積載量を必ず車検証でチェックしてください。




■ 免許区分オーバーで起こるリスクと行政処分


・ 無免許運転による重い刑事罰と違反点数

ご自身の持っている免許区分の範囲を少しでも超過するトラックを運転した場合、軽微な違反ではなく『無免許運転』として厳しい摘発を受けます。

刑事罰: 「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」が科されます。

行政処分(違反点数): 基礎点数として「25点」が加算されます。これは前歴がゼロであっても一発で運転免許取り消しになり、さらに2年間は免許を再取得できない(欠格期間2年)非常に重いペナルティです。プロドライバーにとっては仕事と職を同時に失う死活問題となります。


・ 事業者・運送会社へ科される行政責任

ドライバー個人の処罰にとどまらず、トラックを所有する企業や運送会社側にも重い責任が問われます。

無免許運転であることを会社が容認・見過ごして業務指示を出した場合、会社側も「使用者責任・下命容認の禁止違反」として重い行政処分の対象になります。車両の使用停止処分や、事業所全体の営業停止処分などが下され、会社の信用が完全に失墜してしまいます。コンプライアンスを守るためにも、日常的な乗務前点検と免許証確認を徹底しましょう。




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